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3億1900万年前の魚の化石から、保存状態の良い脳を発見

3億1900万年前の魚の化石から、保存状態の良い脳を発見
Twitter/Rodrigo Figueroa

かなり以前にイギリスで発見された魚の化石から、最古の例と考えられる「脳」が見つかった。

 

頭蓋骨に脳と脳神経が含まれていた

 

その化石は、100年以上も前に、イングランドのランカシャーにある炭鉱で発見され、マンチェスター博物館の収蔵庫に保管されていたという。

 

バーミンガム大学とミシガン大学の研究チームは、この魚の化石を調査。その結果、頭蓋骨に脳と脳神経が含まれていることを発見した。

 

しかも脳の保存状態も良く、これは脊椎動物の脳の最古の例と考えられている。

 

堆積物の中にすぐに埋まった可能性

 

この魚は体長6〜8インチ(15〜20cm)。研究者たちは、この魚が3億1900万年前に生息し、おそらく肉食動物であっただろうと推測しているそうだ。

 

通常、脳のような軟組織はすぐに腐敗し、化石になることは非常に稀だが、この魚が死んだ時、恐らく酸素がほとんどない堆積物の中にすぐに埋まったと考えられている。

 

また研究者によれば、この頭蓋骨の化石はこの種の唯一の標本であるため、研究中は非破壊技術のみが使用され、頭蓋骨の化石を調べる際にも、脳を探していたわけではなかったという。

 

古生物学者のサム・ジャイルズ(Sam Giles)博士は、この「思いがけない発見」は脳の進化について「驚くべき洞察」を与えてくれたとし、次のように述べている。

 

「3次元的に保存された脊椎動物の脳という予想外の発見は、条鰭類の神経解剖学に驚くべき洞察を与えてくれました。この発見は、現生種の脳が示唆するよりも複雑な進化パターンを示しており、現在の硬骨魚類がいつ、どのように進化したかをより明確にすることができます」(了)

 

出典元:BBC:World’s oldest preserved brain found in prehistoric fish fossil(2/2)

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