NASA・ロッキード社が新型の超音速機「X-59」を発表
NASAとロッキード・マーチン社は1月12日、新しい静音超音速機をお披露目した。
ソニックブームを発生させない設計
その超音速機とは「X-59」だ。これはNASAとロッキード・マーチン社が共同で開発した、音速を超えて飛行できる新世代の飛行機とされている。
「X-59」は、単発のジェット・エンジンで駆動し、高度 1万7000mほどの上空を「マッハ1.4」で飛行できるという。
しかも超音速飛行に伴うソニックブームを発生させないことを目標に設計され、現在も飛行実験が行われている。
陸部での超音速商業飛行を禁止
アメリカの連邦航空局は1973年、ソニックブームによる混乱を理由に、陸がある場所での超音速商業飛行を禁止したという。
また現在も超音速機の飛行は禁じられているが、NASAは「X-59」がソニックブームの問題を克服し、新世代の超音速民間航空機への道を切り開くことを期待しているそうだ。
NASA副長官パム・メルロイ氏は、次のように説明している。
「私たちは、ノズルの下にデッキを備えたトップマウントエンジンなど、航空機に特別な機能を設計しました。これにより、衝撃波が航空機の後方で合流し、下方に破壊的な衝撃を引き起こすことがなくなります」
フロントガラスがない
また「X-59」のコックピットにはフロントガラスがないため、パイロットは外部視覚システムを使用して飛行するという。
機体の前方にはカメラが取り付けられ、その画像をソフトウェアが処理し、拡張現実ビューを生成。それがコックピットに取り付けられたスクリーンに映し出され、パイロットはその映像を見て飛行する。
NASAは2026年にもアメリカ本土の上空での試験飛行を計画しており、実際にどの程度騒音が発生するかを調査する予定としている。(了)
出典元:WTKR:NASA unveils its X-59 quiet supersonic jet(1/15)