英と独の天文学者が、天の川銀河で新たな天体を発見
イギリスやドイツの天文学者らが、太陽系のある天の川銀河において、通常のブラックホールよりも軽い天体を発見した。
最も重い中性子星か、軽いブラックホールか
マンチェスター大学とボンのマックス・プランク電波天文学研究所の研究者らは、南アフリカにある 「MeerKAT 電波望遠鏡アレイ」を使用して、コルンバ(はと)座の南にある「NGC 1851」として知られる大きな星団を観察していたという。
その時、地球から4万光年離れた場所に、これまでにない天体を発見したそうだ。その天体の正体はまだ分かっていないが、これまでで最も重い中性子星か、最も軽いブラックホールである可能性があるという。
そしてこの天体は、ミリ秒パルサーと呼ばれる高速で回転する中性子星を、周回していることも明らかになったそうだ。
軽いブラックホールでも太陽の5倍
ミリ秒パルサーとは、1秒間に数百回も自転している中性子星で、中性子星は死んだ星の超高密度の残骸とされている。
また中性子星は、質量が大きくなりすぎると崩壊し、その後どうなるのかはまだ正確につかめていないが、ブラックホールになる可能性があると考えられている。
中性子星が崩壊するのに必要な総質量は、太陽の2.2倍。その後に作られるブラックホールは、最も質量が軽いものでも、太陽の約5倍もあり、「ブラック ホール質量ギャップ」と呼ばれる現象を引き起こすという。
核物理学に新たな洞察
科学者らは、今回の天体が電波パルサー(中性子星)・ブラックホール連星だとし、最初の発見と考えている。
マンチェスター大学の天体物理学教授、ベン・スタッパーズ氏は次のように述べている。
「パルサー・ブラックホール系は重力理論を検証するための重要なターゲットとなるだろうし、非常に高密度の重い中性子星は、核物理学に新たな洞察をもたらすでしょう」(了)
出典元:BBC:Milky Way: Manchester astronomers find mysterious object(1/19)