魚たちが回転する異常な行動、多数が死んで海岸に打ち上げられる【アメリカ】
アメリカの海で、多くの魚たちが異常な行動の末に死んでいるのが見つかり、科学者らが原因を調査している。
伝染性病原体の兆候はなし
その魚たちが見つかったのは、フロリダ州南部にあるフロリダキーズの海岸付近とされている。
絶滅危惧種も含んだ数百匹の魚たちが、ぐるぐる回転するなどの異常行動を示し、その後死んで海岸に打ち上げられたという。
フロリダ魚類野生生物委員会(FWC)は、この事態を「異常な魚の行動現象」と定義しており、3月27日には「魚たちに伝染性病原体の兆候はない」と発表した。
化学物質も検出されず
フロリダ・ガルフ・コースト大学の海洋科学教授であるマイク・パーソンズ氏によれば、昨年の10月に入ってから、漁師や釣りガイドが、円を描いたり逆さになったりする魚の異常な行動に気づき始めたという。
またフロリダ魚類野生生物委員会は、海水に溶け込んだ酸素量や塩分、pH、温度が魚の行動や死の原因である可能性はなく、赤潮の毒素も水サンプルから検出されていなかったと明らかにしている。
さらにフロリダ州環境保護局は、あらゆる汚染物質や医薬品、その他の化学物質の痕跡を探して、さまざまな分析を実施したが、何も検出されなかったそうだ。
パーソンズ教授は、有害な藻類の異常発生や、神経毒が影響している可能性があるとし、影響を受けた魚を「きれいな海水」に入れると回転が止まったという。
中でも、ノコギリエイの仲間である絶滅危惧種の「Smalltooth sawfish」は、最も深刻な影響を受けており、研究者たちが懸念している魚だとされている。
フロリダ魚類野生生物委員会は、12匹の「Smalltooth sawfish」を含む、52匹の魚を南アラバマ大学に送っており、現在、体の組織が分析されているそうだ。(了)
出典元:ABC News:Scientists baffled over hundreds of fish ‘spinning and whirling’ dead onto South Florida shores(3/30)