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オーストラリアで発見された「ハリモグラ」に似た古代生物の化石、科学者が分析

オーストラリアで発見された「ハリモグラ」に似た古代生物の化石、科学者が分析
Peter Shouten

以前、オーストラリアで発見された化石の分析が、科学者らにより進められた。

 

25年前に、約1億年前の化石を発見

 

その化石は約25年前、古生物学者のエリザベス・スミス氏と、娘のクリティーさんによって、ニューサウスウェールズ州北部のオパール鉱床で発見されたという。

 

親子はその後、約1億年前と推定される顎の化石をオーストラリア博物館に寄贈。しかし約2年前まで、その化石は博物館の引き出しの中に忘れ去られていたそうだ。

 

そして今回、その化石の研究がすすめられ、これまで発見されてこなかった3種に及ぶ単孔目の新種を特定。研究結果が5月27日に、学術誌「Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology」において発表された。

 

ハリモグラとカモノハシの特徴

 

単孔目とは、糞尿や生殖が1つの穴によって行われる動物のことで、唯一の卵生哺乳類とされるハリモグラやカモノハシが含まれるという。

 

そして今回、発見された古代の化石もハリモグラ(echidna)とカモノハシ(platypus)の特徴を併せ持っていることから、「echidnapus(学名:Opalios splendens)」と名付けられた。

 

オーストラリア博物館研究所所長で、論文執筆にも携わったクリス・ヘルゲン教授は、この化石には、現生または古代の単孔目に今まで見られなかった特徴が組み合わさっているとし、次のように述べている。

 

「全体的な解剖学的構造は、おそらくカモノハシにかなり似ているが、顎と鼻先の特徴はハリモグラに少し似ている」

 

研究論文の筆頭著者であるティム・フラナリー教授は、次のように述べている。

 

「オーストラリアが有袋類の土地になるずっと前から、ここが卵生動物、単孔目の土地だったことを、この化石は世界に示しています。1億年前、ライトニングリッジ(発見された場所)には、過去も現在も、地球上のどこよりも多くの単孔目がいたようです」(了)

 

出典元:BBC:Australian scientists discover ancient ‘echidnapus’(5/27)

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