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イタリアで海底に沈んだ神殿を発見、2000年前に建てられた可能性

イタリアで海底に沈んだ神殿を発見、2000年前に建てられた可能性
Cambridge University Press

イタリア・ナポリ近郊の海岸で、海に沈んだ神殿と、文字が刻まれた大理石の石板が発見された。

 

ナバテア人によって作られた神殿か?

 

その神殿と思われるものは、ナポリの東約16 kmに位置する町、Pozzuoliの海底で発見されたという。

 

それらはアラビア半島の古代王国、ナバテアからの移民によって、約2000年前に建てられた可能性があるそうだ。

 

この研究結果は、9月12日に雑誌『Antiquity』に掲載された。

 

Cambridge University Press

火山活動で建物などが海に沈む

 

そもそもこの町は、ローマ時代に「Puteoli」と呼ばれ、穀物などの交易品を運ぶために、ローマ帝国の各地から船が訪れる大きな港だったそうだ。

 

しかし何世紀にもわたる火山活動により、Pozzuoliの海岸線は大きく変化。ローマ時代の倉庫やその他の建物が水没し、約2kmに渡って海底に保存されてきたという。

 

そして18世紀には海から遺物が回収され、そこに神殿があったと予想されたが、正確な場所は誰も分からなかったと言われている。

 

Cambridge University Press

海底地図の作成過程で発見

 

ところが2023年、この地域の海底地図を作成していた研究者が、ローマ風の壁を持つ2つの水没した部屋を発見。それらの壁は10m×5mあり、1つの部屋の壁には、2つの大理石の祭壇があったという。

 

どちらの祭壇にも、いくつかの長方形の凹みがあり、かつてはそこに神聖な石が納められていたと考えられている。

 

また各部屋には、「ドゥ​​シャラ(古代ナバテアの宗教の主神)に清め(聖別)られた」を意味する、ラテン語の文字が刻まれた大理石の石板もあったそうだ。

 

Cambridge University Press

 

ナバテア王国はアラビア半島北部から地中海東部まで広がり、紀元前4世紀から紀元前2世紀にかけて、ナバテア人はお香や金、象牙、香水など高級品の貿易を行い、紀元後1世紀後半までに巨万の富を蓄積したという。

 

またナバテア王国の首都・ペトラにある巨大な墓は「宝物殿(エル・ハズネ)」とも呼ばれており、先日その地下から12体の遺骨が発見された。(了)

 

出典元:Livescience:2,000-year-old temple from ‘Indiana Jones civilization’ found submerged off Italy(10/22)

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