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これまでで最も体が小さい、人類の祖先の化石を発見【ドイツ】

これまでで最も体が小さい、人類の祖先の化石を発見【ドイツ】
PLOS ONE

ドイツで、非常に体の小さな類人猿の化石が発見され、研究結果が発表された。

 

体重が10kgしかない類人猿

 

その類人猿は「Buronius manfredschmidi」と呼ばれ、約1100万年前に生息していたヒト科の動物で、人間やゴリラ、チンパンジー、オランウータンの祖先と考えられている。

 

しかし「Buronius」は体重が10kgしかなく、大きさも人間の幼児ほど。そのため、これまで発見されてきた類人猿の中で、最も小さいという。

 

「Buronius」の化石はドイツのバイエルン州で発見されており、2 本の歯と1つの膝頭(膝の皿)の骨で構成されている。

 

PLOS ONE
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他の類人猿と共存していた可能性

 

実は同じ遺跡からは以前、同時期に生息していた大き目の類人猿「Danuvius guggenmosi」の化石も発見されており、「Buronius」と共存していたと考えられるという。

 

「Buronius」の膝頭の大きさと形から、木登りが得意だったことが伺われ、また歯の薄いエナメル質と軽い摩耗により、柔らかい果物や葉っぱを食べていたことが示唆された。

 

そして体重も軽かったことから、樹木の高い場所で暮らすことができたと考えられている。

 

一方、「Danuvius」の方は、遥かに体が大きく頑丈で、雑食だったと考えられるという。

 

また重い体重を支えられる膝関節の構造から、二足歩行をしていたと主張する研究者もいるそうだ。

 

しかし生活様式の違いにより、この2つの種は資源(食料など)を巡ってお互いに競争することなく、生息地を共有できた可能性が高いと考えられている。

 

ヨーロッパには少なくとも16種の大型類人猿が存在していたと考えられ、今回の発見は後期中新世の多様性を、科学者が理解するのに役立つ可能性があるという。(了)

 

出典元:The Guardian:Smallest known great ape, which lived 11m years ago, found in Germany(6/7)

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