古代ポンペイの遺跡で、最大規模の温浴施設を発見
イタリアにあるポンペイの遺跡で、大きな温浴施設の跡が発見された。
最大30人を収容できる設備
その施設が発見されたのは、西暦79年のベスビオ山の噴火で破壊される前、ポンペイでも裕福な地区だった「Regio IX」にあるVia di Nolaの家で発見されたという。
この温浴施設は家庭用と考えられているが、これまでポンペイの遺跡で発掘されたものとしては、最大級と考えられている。
実際、ここには最大30人を収容できる設備が備えられており、利用者は3つのプール、熱い湯やぬるま湯、冷水を使い分けていたと思われるそうだ。
またポーチのある中庭には、体を冷ます部屋もあったという。
宴会の後、ゲストがリラックスする施設
この施設は、昨年発掘された豪華な宴会場とつながっており、家の所有者はエリート層だったと考えられている。
宴会場ではショーが行われたり、選挙活動にも利用されたりしていたとみられ、この温浴施設は、豪華な宴会の後にゲストがリラックスする機会を提供したと考えられるという。
ポンペイ考古学公園のディレクター、Gabriel Zuchtriegel氏も、「これは、ローマ時代のドムス(富裕層の住宅)が、芸術と文化のショーの舞台として機能していた例です。オーナーは、(選挙での)投票を獲得したり、ゲストの好意を得るためにショーを演出したりしました」と語っている。
宴会場は、壁の色からブラックルームと呼ばれており、壁にはギリシャ神話の登場人物を描いた芸術作品が飾られていたそうだ。
2023年2月に始まった第9区の発掘調査では、奴隷たちが監禁され、パンを作らされていた狭い家屋など、他にも多くの発見があったという。(了)
出典元:The Guardian:Pompeii excavation unearths private spa for wooing wealthy guests(1/17)