プレシオサウルスの化石から軟部組織を発見、世界で初めて分析
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Lund University/Joschua Knüppe
非常に保存状態のよいジュラ紀の恐竜の化石に、軟部組織があるのが発見され、初めて分析が行われているという。
皮膚や鱗などの軟組織が残っていた
その恐竜とは、海の中で狩猟を行ってきた、「首長竜」とも呼ばれている「プレシオサウルス」だ。
この化石が、ドイツのホルツマーデン近郊で、非常に良い保存状態で発見され、そこには皮膚や鱗などの化石化した軟部組織が含まれていたという。
そして現在、スウェーデンのLund大学の研究者たちが、世界で初めて「プレシオサウルス」の軟部組織の分析を行っている。
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「現代の皮膚を見ているよう」
同大学の博士課程の学生、ミゲル・マルクス氏によれば、プレシオサウルスの化石から軟部組織が発見されるのは「極めて稀」だという。
また、この化石は1億8300万年前のものだが、化石化した尾や1つのヒレの軟部組織と骨格が、関節で繋がっていたそうだ。マルクス氏は、次のように述べている。
「1億8300万年も保存されていた皮膚細胞を見た時は、衝撃を受けました。まるで現代の皮膚を見ているようでした」
この化石の調査により、プレシオサウルスが滑らかな皮膚と鱗状の皮膚の両方を持っていたことが示され、それが速く泳ぎ、荒れた海でも移動することを可能にさせていたと考えられている。
また滑らかな皮膚と鱗状の皮膚の両方の組み合わせは珍しく、鱗の発見により、これらの動物が遠洋環境にどう適応したかに関して、従来の認識を変えることができたそうだ。(了)
出典元:ABC News:What scientists learned from a well-preserved fossil of this iconic Jurassic-era species(2/19)