世界一難しいジグソーパズル?研究者が古代ローマのフレスコ画を復元

イギリスで考古学者が、ばらばらになった古代ローマのフレスコ画の修復に成功した。
2021年にロンドンで発見
そのフレスコ画は、2021年にロンドンのサザーク地区における再開発中に、大きな穴の中から発見されたという。
これらは西暦43年から150年の間に建設された別荘の壁20面に描かれていたが、建設から157年も経たないうちに別荘が破壊され、フレスコ画もバラバラに砕けていたそうだ。
しかしロンドン考古学博物館のハン・リー氏は、数千枚に及ぶフレスコ画の破片を丹念につなぎ合わせ、復元に成功した。
復元されたフレスコ画には鳥や果物、花、竪琴の精巧な描写に加え、古代の落書きや作者の手がかりも描かれていたという。

非常に繊細な破片
リー氏によれば、破片の多くは非常に繊細で、様々な壁から切り取られ、破片がごちゃ混ぜになっていたという。そのため同氏は、「まるで世界一難しいジグソーパズルを組み立てるような作業でした」と述べている。
またフレスコ画の作者は、ローマの影響下にあった遠くの地域、現在のドイツとフランスのデザインを模倣したように見えるそうだ。
またギリシャ語のアルファベットが、落書きのように破片に刻まれており、作者に関するヒントも含まれ、「これを作った」という意味のラテン語「fecit」が識別可能だったという。
しかし残念なことに、サインがあったはずの場所の漆喰が剥がれており、作者は依然として謎に包まれている。
フレスコ画については、古代ローマ時代の建物がどのような目的で装飾されていたのかなど、多くの疑問が未解明のままだとされている。
しかし、今回の建物は商業用だった可能性があり、「ローマ帝国全域から船でロンドンに運ばれた、貯蔵用の壺や容器の保管や配送に関係していた可能性がある」そうだ。(了)
出典元:Livescience:‘World’s most difficult jigsaw puzzle’: Archaeologists piece together thousands of shattered fresco blocks from ancient Roman villa(6/19)