NASAの宇宙飛行士が、北米上空で巨大なクラゲのような「スプライト」を撮影

NASAの宇宙飛行士が、北米上空に出現した赤い稲妻を撮影することに成功した。
国際宇宙ステーションから撮影
その様子を撮影したのは、スペースX社の「クルードラゴン宇宙船運用10号機」の女性パイロットである、ニコール・エアーズ氏だ。
彼女は第72次および第73次長期滞在メンバーとして、現在国際宇宙ステーション(ISS)で活動を行っているという。
そしてエアーズ氏は7月3日、宇宙ステーションがメキシコとアメリカ南部(カリフォルニア州やテキサス州を含む)の上空を通過した際に、赤い稲妻の「スプライト」を撮影することに成功した。
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超高層放電現象の1つ
「スプライト」は、超高層放電現象(TLE:Transient Luminous Events)とされ、雷雨の際に上層大気で発生すると考えられている。
実際、今回の写真が撮影された当時も、この地域の一部では、大規模な雷雨が起きていたという。
このような超高層放電現象は他にもいくつか種類があり、上空に青っぽい稲妻を伸ばす「ブルージェット」や、UFOのような光の輪の「エルヴス(ELVES)」などがある。
中でも一般的なのが、この赤いクラゲのような「スプライト」だが、実はこれらの光学現象は30年以上も研究されているにもかかわらず、未だによく判明していない。
「スプライト」の大きさや形は様々で、最大のものは地表から80キロメートル上空まで達すると考えられている。
またNASAの出版物「地球観測衛星」によると、「スプライト」が赤い色をしているのは、上層大気の窒素と相互作用するためだという。(了)
出典元:Livescience:Astronaut snaps giant red ‘jellyfish’ sprite over North America during upward-shooting lightning event(7/4)