7億年前の地球が完全に凍り付いていた可能性、科学者が指摘

研究者たちは、地球が熱帯地方も含め、完全に凍結していた時代があったと主張している。
全球凍結状態
科学誌「Journal of Geophysical Research: Planets」に掲載された新たな研究結果によれば、約7億年前、地球は完全に凍結し、熱帯地方でさえ海や湖はほとんど、あるいは全く存在しなくなったと考えられるという。
研究者たちは、その状態を「スノーボールアイス」と呼んでおり、つまり全球凍結状態だったと主張している。
その原因は、寒冷な気候と大規模な火山噴火だったと考えられるそうだ。
寒冷な気候、陸上での植物の不在
約7億2000万年前にはフランクリン火山が噴火しており、現在のアラスカからカナダ北部、そしてグリーンランドに至るまで、大量の噴石を降らせたという。
同様の大規模な噴火は過去にも発生しているが、この時はたまたま寒冷な気候と重なっており、また陸上で植物も十分に進化しておらず、存在していなかったそうだ。
陸上植物は、約4億5000万年前のオルドビス紀になるまで、現れなかったと考えられている。
そして噴火後の岩石の風化(侵食)に伴う化学反応は、大気中の二酸化炭素を除去する。
研究者たちは気候への影響をモデル化することで、これほど広範囲にわたる急速な侵食が、十分な量の二酸化炭素を地表に引き寄せ、地球を凍らせた可能性があることを示せたという。
また他の時期における同規模の火山噴火では、気候がより温暖であった時期だったり、あるいは植物が侵食速度を鈍化させたりしたため、全球凍結状態にはならなかったことも示せたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:About 700m years ago, the Earth froze over entirely – now we may know why(7/23)