Switch news

知っておきたい世界のニュース

ワシの巣から、600年前の遺物が多数見つかる【スペイン】

ワシの巣から、600年前の遺物が多数見つかる【スペイン】
Ecology

スペインで、複数のワシの巣の中から、600年前の遺物が多数発見された。

 

スペイン南部の山岳地帯で巣を調査

 

研究者らは、スペイン南部の山岳地帯でヒゲワシ(bearded vulture)の巣を調査していたのだが、その際中世の遺物を多数発見したという。

 

その遺物の多くは約600年前の物だったが、中には1375年頃にまで遡るものもあったそうだ。

 

これらの遺物は、ヒゲワシが巣作りに、一般的な素材として使用していたと考えられている。

 

ヒゲワシは、約70年前から130年前にはスペイン南部の山岳地帯で絶滅したと考えられているが、この鳥は崖の洞窟などに巣を作る習性があるため、巣が非常に良好な状態で保存されていたという。

 

Ecology

合計2483点の遺物を発見

 

この調査では、12のヒゲワシの巣から、合計2483点の遺物が発見されたそうだ。

 

その内訳は、骨2117点、卵の殻43点、エスパルト草(esparto grass)で作られた品々25点、蹄86点、革製品72点、毛髪11点、布製品129点となる。

 

エスパルト草とは多年草の植物で、スペイン南部やアフリカ北部に分布し、柔軟で強靭なため、現在もパルプの原料や船舶用のロープなどで使用されているという。

 

今回発見された遺物の中で、エスパルト草で作られた物には、靴やロープ、籠細工、馬具、パチンコ(飛び道具)などがあったと言われている。

 

Ecology

 

考古学者チームはまた、草と小枝で作られたサンダルや木製の槍、装飾された羊皮、布片も発見したそうだ。

 

研究者らによると、スペインのイベリア半島全域で発見された同様の遺物は、約1万2000年前の亜旧石器時代以降、人類が植物の繊維を使って「多種多様な」物品を作ってきたことを示しているという。

 

またヒゲワシはヨーロッパで最も絶滅が危惧されているハゲワシの一種で、現在、ヨーロッパ大陸にはわずか309組の繁殖つがいしか残っていないそうだ。(了)

 

出典元:INDEPENDENT:Hoard of 600-year-old treasures uncovered in vulture nests(10/8)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top