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NASAの火星サンプルリターン計画が中止へ、研究費削減の影響

NASAの火星サンプルリターン計画が中止へ、研究費削減の影響
YouTube_NASA Jet Propulsion Laboratory

火星で収集されたサンプルを地球へ持ち帰る、NASAの計画が事実上中止された。

 

予算法案に「MSR計画」は含まれず

 

トランプ政権はすでに科学研究費を半減させ、NASAの予算を約4分の1に削減するという決定を下していた。

 

しかし1月15日、アメリカ議会の上院は、トランプ政権の決定を覆す、支出法案を承認。これにより科学分野の予算が、大幅に復活した。

 

ところがこの法案には、火星で収集されたサンプルを地球へ持ち帰る計画は含まれておらず、「火星サンプルリターン(MSR)計画」は事実上中止になったという。

 

そして現在、火星にいる探査ローバー「パーサヴィアランス」の収集活動も終了した。

 

費用が110億ドルに膨れ上がる

 

「パーサヴィアランス」はこれまでに、30以上の地質学的サンプルを採取しており、その中にはNASAが「最も明確な生命の兆候」と表現したサンプルも含まれているという。

 

ただ火星から地球にサンプルを持ち帰ることは、費用のかかる事業であり、MSR計画は遅延とコストの急上昇に悩まされてきた。

 

2025年1月、独立審査委員会は、費用が110億ドルに膨れ上がり、サンプルが地球に戻されるのは2040年まで見込まれないと試算した。

 

NASAは、このプログラムの大幅な見直しとして、サンプル採取に2つの異なる戦略を採用すると発表。1つは、ロケット推進のスカイクレーンを展開する、着陸システムを採用することで、総費用が66億ドルから77億ドルに抑えられると推定した。

 

もう1つは、価格が58億ドルから71億ドル程度になる、民間商用オプションだ。NASAは、2026年後半に、これらの選択肢のどちらを選ぶかを発表する予定だった。

 

MSR計画で開発された技術に資金

 

しかし今回の予算法案によって、MSR計画を復活させる余地が生まれる可能性があるという。

 

この法案は、MSR計画の一環として開発された技術が、将来の宇宙ミッションや月・火星の有人探査の成功に不可欠であることを認識し、将来の火星ミッションプログラムに1億1000万ドルを割り当てているそうだ。

 

言い換えれば、MSR計画で開発に取り組んでいた技術の一部に、資金が充てられるという。

 

無論、1億1000万ドルという金額は、何十億ドルの予算には遠く及ばない。しかし、科学政策への削減案に反対運動を展開してきた「惑星協会」は、1億1000万ドルの割り当てが、サンプルリターンの将来に希望を与えるものだとの見方を示している。(了)

 

出典元:Livescience:NASA’s Mars Sample Return is dead, leaving China to retrieve signs of life from the Red Planet(1/16)

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