一週間にたった6分の運動が骨粗しょう症の防止に?新たな研究で明らかに
新たな研究により、一週間でたった6分間の運動が骨粗しょう症の防止に役立つことが明らかとなった。
女性に起こりがちな骨粗しょう症の予防
今回の研究を発表したのは、英国のマンチェスター・メトロポリタン大学とハル大学。
研究では、閉経を迎え脆くなりがちな女性の骨を守るため、1週間にたった6分の運動が効果的である可能性が示されたという。
女性は閉経後最大5年間にわたり毎年1~2%程度の骨量を失うとされており、これが女性にとって骨粗しょう症となる大きな原因となっている。
骨粗しょう症とは骨密度が低下し、骨がスカスカの状態になることで骨折が起こりやすくなる病気で、骨折等の治療を含むと治療費にもかなりの額がかかる。
一方今回の研究によっては、マンチェスター・メトロポリタン大学とハル大学の両大学は、簡単かつ短時間で済み、尚かつ自宅でできるシンプルな運動が骨粗しょう症の防止、もしくはその進行を食い止めるのにどれほど役立つのか調査。
するとシンプルでありながらも高い負荷のかかる運動が、骨粗しょう症の防止に役立つことが判明したという。
女性にとって運動の際の支障は時間的制限とアクセス
女性における骨粗しょう症の実態についてマンチェスター・メトロポリタン大学のGallin Montgomery教授は、「骨粗しょう症に関する統計は衝撃的なものです。約50%もの50歳以上の女性が、骨密度が低いがために骨折をしてしまうんです」という。
さらに教授は続けて骨粗しょう症は閉経後の女性において最も一般的なものである一方、運動はこれを助け防ぐために最も最適な方法であるとする。
一方で教授は、女性にとって運動の際の支障となるのは、時間的制限と運動ができる場所へのアクセスという。
そこで研究チームは、骨粗しょう症防止のため自宅にいながらにしてすぐにできてしまう簡単な運動方法を見つけることを意図して研究を行ってきたという。
「これによって我々は(骨粗しょう症の統計における)数値の低減と、女性の骨の健康を維持することができることを願っています」
研究で推奨される骨粗しょう症に効果的な運動をご紹介!
しかし具体的にはシンプルかつ高負荷で骨粗しょう症の防止に役立つ運動とは、どのようなものが挙げられるのだろうか。
研究で推奨されている運動としては、“カウンタームーブメント・ジャンプ”と“ボックスドロップス”、“ヒール・ドロップス”と呼ばれるものだ。
これらを一日2分間、一週間に3度正しいやり方で行うことによって、骨の健康を保つために必要な良い影響がもたらされるという。
それでは上記した運動がいかなるものであるのか、それぞれ見ていこう。
まず“カウンタームーブメント・ジャンプ”とは、簡単にいえば普通のジャンプと何ら変わらないシンプルなもの。
運動を行う際には直立した状態で立ち、膝とお尻を動かすことによって下向きに身体を持っていき、そこからすぐに腕を振りながら膝とお尻を再び動かして垂直にジャンプする、というこれだけだ。
続く“ボックスドロップス”は、こちらもジャンプの一種。
膝丈ほどの高さの段などの端に立ってそこから下に飛び降り、膝を曲げた状態で2本の足で降り立つ、というものだ。
さらに“ヒール・ドロップス”とは、つま先立ちでできるだけ高く立ち、脚の筋肉を素早くリラックスさせることで、膝をわずかに曲げながら両方のかかとで地面に降り立つ、というものとなっている。
一方、これらの運動のそれぞれの効果について説明するMontgomery教授は、“カウンタームーブメント・ジャンプ”が最も効果的であるという。
「“カウンタームーブメント・ジャンプ”は、骨の健康にとって非常に重要となる筋肉の活性化を最も大きくもたらすと共に最も高負荷であり、女性にとって最も有益であることを発見しました」
他方でその他の運動については、「“ボックスドロップス”と“ヒール・ドロップス”も有益ではありますが、足で強く踏むような動作では負荷が足りないため、推奨されません」としている。
骨粗しょう症防止の効果を得るためには、“カウンタームーブメント・ジャンプ”を中心に、他の運動をバランス良く組み合わせるのが良さそうだ。
女性の多くが悩まされることになる骨粗しょう症。一週間にたった6分程度の簡単な運動でそれが防止できるということであれば、今日からでも挑戦されてみてはいかがだろうか。(了)
出典:Manchester Metropolitan University:Six minutes of exercise a week could prevent post-menopause osteoporosis(2/11)