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米の研究者がAIを使い、これまでにない強力な抗生物質を発見

米の研究者がAIを使い、これまでにない強力な抗生物質を発見
AC

科学者たちがAIを使い、新しいタイプの強力な抗生物質を発見したとして、注目を集めている。

 

アルゴリズムをトレーニング

 

このプロジェクトを進めてきたのは、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちだ。

 

彼らは人間の脳の構造から着想を得たアルゴリズムを使用し、大腸菌を殺せる最も抗菌性の高い性質を持つ薬を見つけるため、約2500の薬とその他の化合物の構造を分析できるよう、トレーニングを行ったという。

 

そのアルゴリズムを使い、人体での実験で使える1000の薬の候補を選び、その中から致死性の高い35種類のバクテリアを殺せる「Halicin」と呼ばれる抗生物質を発見した。MIT のJames Collins氏は次のように語っている。

 

「私はこれが、今まで発見された中でより強力な抗生物質の1つだと考えています。私たちは抗生物質の発見における新しい時代に導くため、AIの力を利用できるプラットフォームを構築したいと思っています」

 

WHO「世界で最も大きな脅威の1つ」

 

そもそも抗生物質への耐性を備えた感染症は、ここ数年増えており、イギリスでは2017年から2018年の間に9%も増加していたという。

 

また抗生物質が不適切に用いられれば、体内にある有害なバクテリアがそれに対する耐性を持ってしまい、本当に必要な時に薬が効かなくなるそうだ。

 

世界保健機関(WHO)も近年のこの傾向を危惧しており、今日の世界の健康面での安全保障において、最も大きな脅威の1つと呼んでいる。

 

英国工学技術学会ヘルスケア委員会の議長である、Peter Bannister博士はAIの利用について次のように述べている。

 

「同じアプローチが、医薬品のような新しい治療の開発において、すでに普及しています。そのような研究の場合、その抗生物質では、(AIの)ディープラーニング(深層ニューラルネットワークによる学習方法)を含むパターン認識が、莫大な数の分子の分類に役立ったのです」(了)

 

出典元:BBC:Scientists discover powerful antibiotic using AI(2/21)

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