その価値500万円以上!イスラエルで1100年前の金貨が発見される
イスラエルで約1100年前の金貨が大量に見つかり、非常に珍しい発見であるとして注目を集めている。
その数400枚以上、合計800グラムを超える金貨
約1100年前の金貨が発見されたのは、イスラエルの都市ヤブネ。発見者となったのは、イスラエル人の若者二人組だ。
「それは素晴らしいことでした」というのは、発見者のうちの一人であるOz Cohenさん。
「地面を掘って土壌を掘り返すと、とても薄い葉のようなものが見えました。再び目を向けると、これらは金貨であったことに気付きました。そのような特別で古代の財宝を発見するということは、非常に興奮することでした」
考古学庁(IAA)によると、今回発見された金貨は粘土から作られた容器に入れられていたとされ、その総数は425枚。いずれも24カラットの純金製で、総グラム数は845グラムにも及ぶという。
現場での発掘作業を率いたLiat Nadav-Ziv氏とElie Haddad氏は、声明において“この財宝を1100年前に埋めた人は、間違いなくそれを回収するつもりであり、動かないように容器を釘で固定すらしていた”という。
“我々は彼がこの財宝を回収しに戻ることを妨げたのが一体どのような理由であるのか、推測することしか出来ない”
金貨が起源を持つ1100年前とは?
それでは今回発見された金貨の多くが起源を持つ約1100年前とは、一体どんな時代であったのだろうか。
その当時のイスラエルを支配していたのは、イスラムの一大帝国を築いたアッバース朝だ。
750年から1258年までの500年以上も続いたアッバース朝の時代には、全てのイスラム教徒に平等な権利が認められ、イスラムの黄金時代とまで言われる繁栄がもたらされたという。
その統治範囲も現在のイラクから、最盛期には北アフリカや中東地域の大部分にまでも及んでいた。
一方IAAの硬貨専門家Robert Kool氏によると、今回発見されたものはこれまで見つかった金の発掘物としては最古のものの一つであるという。
また金貨とと共に発掘物からは270もの金の欠片も見つかっている。
Kool氏によると青銅製や銅製の硬貨が使用されなくなった850年代以降のイスラム国家においては、そのような金貨を小さく分割したものを”小銭”として利用するというのは通常のことであったという。
またNadav-Ziv氏らによると、金貨は純金製であるため酸化しておらず、”前日に埋められたかのように素晴らしい状態”であるという。
Kool氏はこれについて、「アッバース朝時代のイスラエルにおける発掘物は比較的少ないため、この珍しい財宝は確実に研究への大きな貢献となるだろう」という。
「その埋蔵金の研究が、我々がまだほんの少ししか知らない時代について、より多くを教えてくれることを願うばかりだ」
気になる”金貨”としての価値は?
このように非常に高い歴史的価値を持つ金貨であるが、その”金”としての価値も気になるところだ。
これについてKool氏は、その当時の価値について”相当の大金”であったという。
“その量であれば、例えば一人の人が近隣で屈指の(都市である)巨大で富の豊かな当時のエジプトの首都、フスタートで一軒の高級住宅を購入することも可能であった”
一方、この硬貨の現在の価値としては1グラム当たりの金の価格を鑑みて、約5万2600ドル(約557万円)相当の価値があるとみられている。
今回イスラエルで発見された大量の金貨。歴史的に大きな発見ではあるが、1000年以上も前に金貨を埋めた元々の持ち主は、自らをそれを掘り出すことが叶わず、さぞかし無念だったに違いない。(了)
出典:Live Science:Stash of pure, 24-carat gold coins unearthed in Israel(8/25)
出典:CNN:Teenagers find ‘treasure’ trove of 1,100-year-old coins in Israel(8/25)
出典:The Guardian:1,100-year-old gold coins found at dig site in Israel(8/24)