火星に起こったつむじ風の映像を、NASAの探査機が捉えた
NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機「キュリオシティ」が、火星表面を移動中につむじ風に遭遇。撮影された連続写真がGIF動画に編集され、NASAのインスタグラムアカウントに投稿された。
今は風の季節
長さ3秒ほどのその動画は、海外メディアによれば、投稿後数時間で20万回近く再生されたとのこと。現在の再生回数は330万回を超えている。
映っているのは、火星の丘陵地でくねくねと身を躍らせるつむじ風(塵旋風)の姿だ。NASAの投稿文にはこんな説明がある。
火星上にはダイナミックな動きがあることが多い。そこには大気があり、地表面と影響し合うからだ。現在、我々の探査機「キュリオシティ」が稼働している地域は「風の季節」に入っている。8月9日、探査機のナビゲーション・カメラが、この動画の元になった連続写真を撮影した。風が旋回して柱状の渦になっているもの——いわゆるdust devil(つむじ風)——が、火星の景色の前を横切っている。
嵐も発生する火星
現在、探査機は、エリシウム平原にあるゲール・クレータの中にいる。直径154kmのクレーター内にはアイオリス山があり、連続写真はその頂上付近から撮られたものだそう。
つむじ風の太さ(幅)は約5m、上端が写真のフレームから外れているので高さははっきりしないが、推測で50mほどであるとのこと。探査機とつむじ風の距離は500m〜1km程度。
火星には風が吹くだけでなく、砂嵐が起こることも知られている。地球と比べて大気が薄いので、風の強さはそれほどでもないらしい。だが、舞い上がった砂が太陽光を遮ってしまい、例えば2018年の大規模な砂嵐では、太陽光発電で動いていたNASAの探査機「オボチュニティ」が操作不能となった。
ちなみに、現在稼働中の「キュリオシティ」は、プルトニウム238の崩壊熱を利用する原子力電池を動力源にしている。そのため、砂嵐が起こっても、動力源に関しては心配ない。(了)
出典元:CNET:NASA Curiosity rover captures one heck of a dust devil on Mars(9/2)
出典元:Hindustan Times:Curiosity rover spots ‘dust devil’ on Mars, NASA shares animated video(9/13)
出典元:ウィキペディア:キュリオシティ