もはや地球の至るところにマイクロプラスチック、エベレストの山頂付近でも発見
世界最高峰のエベレストの頂上付近にも、マイクロプラスチックが存在していることが、調査によって判明した。
2018年には地球で最も水深が深いマリアナ海溝でも、マイクロプラスチックが見つかっており、今回の発見により地球全体がそれらに汚染されていることになった。
ベースキャンプ付近が最も濃度が高い
今回、マイクロプラスチックが見つかったのは、エベレストの8850m(8844・48mとも)の頂上から、数百メートルの範囲だという。
それらは極小のプラスチックの繊維とされ、それを含んだ雪のサンプルがエベレストの11の地点、高さ5300mから8440mの範囲で採取されたそうだ。
最もマイクロプラスチックの濃度が高かったのは、ベースキャンプ付近。そこは登山者などが多くの時間を過ごす場所となっている。
「解決策に焦点を当てる時」
プラスチックの繊維の多くは、登山者の衣類やテント、ロープなどから出た可能性が高いと考えられている。
また調査した科学者によれば、最近スイスのアルプスやフランス南部のピレネー山脈などからもマイクロプラスチックが発見されたことから、それが風によって遠くから運ばれた可能性もあるという。
今回、エベレストの調査を行った、イギリス・プリマス大学のImogen Napper氏は、次のように述べている。
「分析したあらゆるサンプルの中に、マイクロプラスチックを発見したことは、本当に私を驚かせました。エベレストは常々、最も辺境の場所で、汚染されていないと考えていました。(略)マイクロプラスチックが私たちの環境に偏在することを考えると、適切な環境問題の解決策に焦点を当てる時です」
合成繊維の衣類から多く出る
プラスチックは捨てられる際に、粉々に砕かれ細かくなっていくため、より多くのプラスチックゴミを減らし、または再利用・リサイクルすることが重要になる。
しかしNapper氏によれば、多くのマイクロプラスチックは合成繊維から作られる衣類から排出されるという。
そのため可能であれば、コットンなど自然素材を使うと同時に、より良い繊維を使用することが必要だと述べている。(了)
出典元:The Guardian:Microplastic pollution found near summit of Mount Everest(11/20)