ベトナム北部で発見された虹色のヘビ、色のパターンや鱗などから新種と判明
ベトナム北部の緑豊かな森で、生物の多様性を研究している研究チームによって偶然発見されたヘビが、虹色の体を持つ新種だとわかり、注目を集めている。
アメリカとベトナムの研究者が発見
米スミソニアン博物館とベトナム科学技術アカデミーの研究者らは昨年、ベトナム北部の深い密林地帯に広がる石灰岩のカルスト地形や川や谷において、生物の生態を調査したという。
彼らは夜間に川や小川に沿って歩き、ジャングルをさまよい、この地域に住むさまざまな動物の情報を収集し、記録したそうだ。
そして調査現場へ向かう途中、研究者らは偶然、道路上でヘビを発見。そのヘビを詳しく調べることにした。
今までの色のパターンと異なる
そのヘビは暗い虹色の鱗をしており、光に当てるとホログラムのような鮮やかな青から緑に変化したという。
またこのヘビの鱗は通常のように重なり合う代わりに、それぞれが隆起しており、鱗が小さいために間からは皮膚が露出していたそうだ。そのためこのヘビは「奇妙な鱗のヘビ」といったニックネームが付けられた。
これまで世界では虹色に輝くヘビが13種まで確認されているが、そのうちの6種類がベトナムで発見されている。
しかし今回のヘビのような色のパターンは、これまでのものとは異なっていたという。下の写真では上が背中から、下が腹部の写真。
目に光受容体がない
またヘビは珍しい目をしており、光の受容体がなく、長い間土の中や落ち葉などの下で暮らしてきたと考えられている。
調査に携わったベトナム科学技術アカデミーの生態生物資源研究所の副所長であるTruong Nguyen氏も次のように語っている。
「ベトナムで22年間におよぶ爬虫類の調査において、私は6種類の奇妙な鱗のヘビしか収集していません。このヘビは最も研究が進んでいない爬虫類のグループの1つです」
このヘビはAchalinus属(アカリヌス属)という種類の1部とされ、進化系樹において他のグループよりも早く分岐した穴を掘るヘビと同じ科からきたと考えられるため、ヘビの進化についてより多く理解することに役立つと考えられている。
研究チームは、スミソニアン博物館を引退した学芸員、爬虫類と両生類を専門としたGeorge Zug氏と彼の妻、Patricia Zugに敬意を表して、新種を「Achalinus zugorum(アカリヌス・ズゴラム)」と名付けたという。(了)
出典元:INDEPENDENT:New species of iridescent snake discovered in Vietnam(12/9)