中国とロシアが有人の月基地開発で協力、合意文書に署名
中国とロシアが共同で、月に基地を作る計画を進めることとなった。
幅広い研究が行われる予定
3月9日、ロシアの宇宙機関「Roscosmos」は、月面及び月周回軌道上に有人の研究施設を共同で建設するために、中国の「国家宇宙局」と合意し、署名したと発表した。
また両国の宇宙機関が発表した声明によれば、この月基地は完成すれば、他の国々も利用できることになるという。
現段階ではこの基地は「国際月科学研究ステーション」と呼ばれ、ここでは月の探査や利用も含んだ、幅広い科学的な研究が行われる予定だとされている。
中国にとっては大きな取引
中国とロシアは、この研究基地の計画やデザイン、開発、運用まで協力して行うことになるという。
国家航天局も声明で「中国とロシアは、宇宙科学、研究開発、宇宙機器と宇宙技術の使用における蓄積された経験を利用し、国際的な月面科学研究ステーションの建設のためのロードマップを共同で作り上げていきます」と述べている。
中国の宇宙プログラムを担当する分析官のChen Lan氏も、「このプロジェクトは大きな取引だ」とした上で、「これは中国にとって最大の国際宇宙協力プロジェクトになるので、重要です」と述べている。
中国は宇宙開発の分野ではアメリカやロシアに比べれば「遅咲き」の方だが、昨年12月には無人探査機「嫦娥5号」によって月から土壌を採取し、地球へ持ち帰ることに成功した。
一方、宇宙探査の先駆者であるロシアは近年、中国や米国に追い抜かれているという。 昨年、アメリカのSpaceXの打ち上げが成功した後、宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに連れて行くという独占的な立場を失ったそうだ。(了)
出典元:BBC:China and Russia to build lunar space station(3/10)