【新型コロナ】WHOの科学者、パンデミックは野生動物の取引が原因か
世界保健機関(WHO)の科学者らが、新型コロナウイルス感染拡大について、野生動物の取引が原因である可能性について明らかにした。
研究施設から流出した証拠はない
1カ月に及ぶ中国武漢での調査に携わったWHOの4人の科学者は先日、イギリスのシンクタンク「王立国際問題研究所」においてブリーフィングを行ったという。
そこで科学者らは、武漢の研究所からウイルスが流出した証拠はないと主張。またウイルスが意図的に開発されたものだと証明するものは何もなかったと語った。
さらに武漢で動物の取引を行っていた市場と、ウイルスを持ったコウモリの生息する地域との間に、関連性があることを発見したと明らかにした。その上で、野生動物の取引がパンデミックの原因である可能性があると述べたという。
飼われていた動物にウイルスが伝染か
パンデミックの予防に取り組んでいる動物学者で、「Eco Health Alliance」の代表であるPeter Daszak氏は次のように述べている。
「武漢から中国南部の州への経路があり、そこには(新型コロナに)相対的に最も近いウイルスがコウモリにおいて発見されました」
その上でDaszak氏は、ウイルスが家畜や飼われていた動物に伝わったという説明が最も可能性が高いと付け加えたという。
3つの研究所で規定を精査
ロッテルダム大学医療センターのウイルス科学責任者であるMarion Koopmans氏によれば、彼らは武漢の華南(海鮮)市場に最も近い、3つの研究施設を訪れたという。
そこで研究所の規定や研究内容を精査。その結果、研究室からウイルスが流出した可能性は極めて低いと結論づけたそうだ。
研究チームは今週、武漢での調査における最初の結論に関する報告書を発表する予定とされている。
ただし武漢で行われた調査は、中国政府によって厳しく制限されており、またWHOと中国との関係から、まだ結論を出すのは早いという意見もあるようだ。(了)
出典元:INDEPENDENT:No evidence Covid leaked from a lab but probably emerged from wildlife trade, say WHO scientists(3/11)