「マチュ・ピチュ」は世界でも有名な遺跡で、多くの観光客が訪れているが、西洋の歴史家にとっては謎の多いものの1つになっていたという。
そこでイエール大学のRichard Burger教授率いる研究チームは、「マチュ・ピチュ」に残されてきた26体の人骨を調査。加速器質量分析法(AMS)による年代測定を試みた。
その結果、遅くとも1420年から(またはそれ以前から)1530年までは、この遺跡が継続的に使用されていたことが強く示唆されたそうだ。
この後者の年代(1530年)は、スペインがインカ帝国を征服し始めた時期と、ほぼ一致すると考えられている。ケンブリッジ大学のGabriela Ramos博士は次のように語っている。
「インカの遺跡の年代測定は、文書による記述と考古学的な証拠が必ずしも一致しないため、推測の余地があります。何十年もの間、歴史家や人類学者は主に文書による記述に頼ってきましたが、考古学的発見や放射性炭素年代測定法などの技術がコロンブス以前の社会についての理解に貢献したり、追加したり、変えたりしているのはむしろ最近のことなのです」
実は「マチュ・ピチュ」には人間の墓がほとんど残っていないが、それは略奪が行われたからだと考えられている。(了)
出典元:The Guardian:Scientists discover Machu Picchu could be at least two decades older than thought(8/4)