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ロシアの辺境に現れた光る雪が幻想的

ロシアの辺境に現れた光る雪が幻想的
Facebook/Alexander Semenov

ロシアの北西部にある北極圏の湾、白海(はっかい)の岸辺に積もった雪が、不思議に光っていた。その様子が撮影され、フェイスブックに投稿された。光る理由は、海に生息するプランクトンだそう。

 

生物学者が散歩中に発見

 

モスクワ大学の附属機関である「White Sea Biological Station」は、白海に面した海洋生物学の研究所だ。そこに勤務する生物学者のVera Emelianenkoさんは、その日、同僚の子供を連れて海辺を散歩していたという。

 

寒風の中、潮が満ち引きする岸近くの場所まで来た2人は、積もった雪の中に、淡く光る青い点がいくつもあるのを見つけた。Emelianenkoさんはその様子を、「雪の中にブルーのクリスマスライトが点いているようだった」と言っている。

 

写真を撮って科学者仲間に送ると、あっという間にロシア中の海洋学者の間で話題になったそう。下にあるのは、研究所のカメラマンであるAlexander Semenovさんがフェイスブックに投稿したものだ。

 

Facebook/Alexander Semenov
Facebook/Alexander Semenov
Facebook/Alexander Semenov
Facebook/Alexander Semenov

 

発光するプランクトン

 

Emelianenkoさんは光る雪を研究所に持ち帰り、顕微鏡で光の源を探した。それはメトリディア・ロンガ(Metridia longa)という発光する海洋プランクトンだった。

 

これまでも青く光る雪が目撃されたことはあったそうだが、科学者が原因を究明したのは今回がおそらく初めて、と海外メディアは報じている。

 

砂粒ほどの大きさの甲殻類であるメトリディア・ロンガは、泳ぐことができず、海に浮遊している。日中は深さ80〜300フィート(約24m〜約91m)辺りにいるが、夜暗くなると海面近くに昇ってくる、とロシア科学アカデミーの専門家であるKsenia Kosobokova氏は言う。

 

それが、なぜ雪の中に?

 

海流に乗って流されて来たメトリディア・ロンガが、満潮時に海岸の氷の割れ目や雪の中に入り込み、潮が引いた後もそこに残ったのだろう——これがKosobokova氏の推測だ。Emelianenkoさんが光る雪を見つけた12月初頭は新月で、しかも2021年中で地球と月との距離が最も近くなる時期だったため、満潮時の海水が特に勢い良く、陸地の奥まで入り込んだらしい。(了)

 

出典元:National Geographic:Snow is glowing in the Russian Arctic. The culprit? Tiny sea creatures.(12/21)

出典元:MailOnline:Snow is seen GLOWING in Russia after tiny bioluminescent animals wash ashore from the White Sea: This is the first time in 80 years that faint blue lights are spotted in the Arctic(12/21)

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