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孵化する直前の恐竜の化石、ほぼ完璧な保存状態だった【中国】

孵化する直前の恐竜の化石、ほぼ完璧な保存状態だった【中国】
Twitter/Steve Brusatte

中国で、卵の中に残っていた恐竜の化石が紹介され、保存状態の良さから、注目を集めている

 

10年間博物館に保管されてきた

 

その化石は2020年に中国江西省の赣州市(Ganzhou)で発見され、Yingliang Stone自然史博物館で10年間保管されていたという。

 

この恐竜は歯のない獣脚類、または「オヴィラプトロサウルス」と考えられ、その後「ベイビー・Yingliang」と名づけられたそうだ。

 

研究者のFion Waisum Ma博士は、「史上最高の恐竜の胚(生まれる前の段階)が発見された」と述べている。

 

iScience

 

6600万年前のものと推定

 

「ベイビー・Yingliang」は、博物館の建設工事が始まり、古い化石を整理している時に見つけ出され、研究者らの注目を集めたそうだ。

 

この化石の雛の、頭から尾までの長さは約27cm。約17cmの卵の殻に収まっていたという。研究者は少なくとも6600万年前のものだと推定している。

 

「オヴィラプトロサウルス」は「卵泥棒トカゲ」とも呼ばれ、白亜紀後期(1億~6600万年前)に現在のアジアと北米に生息していた羽毛恐竜とされている。

 

鳥類が孵化する直前の姿

 

またこの化石は雛が「タッキング」と呼ばれる丸まった状態であったことを示しており、これは鳥類が孵化する直前に見られる行動だという。ちなみに現代のワニも、頭を胸の上で曲げ、座った姿勢で生まれてくるらしい。

 

 

この発見により、現代の鳥と恐竜との関係についてさらに理解が深まる可能性があり、Ma博士も取材に対して、次のように語っている。

 

「このことは、現代の鳥類に見られるこのような行動が、恐竜の祖先の間で最初に進化し、生まれたことを示しています」

 

また研究チームの一員でもある古生物学者のSteve Brusatte教授も、これまで見た中で「最も驚くべき恐竜の化石の一つ」であり、雛が孵化する寸前だったとツイートした。

 

恐竜の体の一部はまだ岩石で覆われており、今後研究者は高度なスキャン技術を使って全骨格の画像を作成する予定だという。(了)

 

 

出典元:BBC:Perfectly preserved dinosaur embryo found in China(12/21)

出典元:The Guardian:Scientists find perfectly preserved dinosaur embryo preparing to hatch like a bird(12/21)

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