中国で4万年前の加工品を発掘、旧石器時代に黄土を処理する技術を持っていた可能性
中国で石器時代の遺跡から、非常にユニークな遺物が発掘され、注目を集めている。
最も早い時期の黄土加工品
それらの研究を進めたのは、北京の中国科学院などからの科学者たちだ。彼らは、中国北部・河北省のNihewan盆地にあるXiamabeiの遺跡を調査したという。
この遺跡は、4万年前の石器時代のものと推定されており、そこからは黄土を加工したものや、小型石器群、刃物のような道具、骨の道具などが見つかったそうだ。
それらは保存状態が良く、何よりも黄土を使った加工品としては、最も早い時期のものになると考えられている。
大量の顔料を処理するための人工物
また研究者たちは、大量の顔料を処理するために使用された人工物が見つかったことから、この地域の古代文化が黄土を広範囲に使用していた証拠を発見したと考えているという。
遺跡からは、異なる鉱物組成を持つ2つの黄土のかけらと、赤く染まった堆積物の表面に黄土が染み付いた、細長い石灰岩の板が含まれていたそうだ。
さらに分析したところ、異なる種類の黄土がXiamabeiの遺跡に持ち込まれ、叩いたり磨いたりして、色や粘度の異なる粉末が作られ、それが居住区の床に染み込んでいたことも分かった。
この石器時代の古代人は、古い遺跡や少し前の遺跡には見られない、原材料を変換するための複雑な技術システムを持っていることが実証されたと、研究者は述べている。
生活や文化様式は不明だった
そもそもこれまでの研究でも、人類が約4万年前に北アジアに到達したことは確認されていた。
しかし、彼らの生活や文化様式、さらにはネアンデルタール人やデニソワ人などとの関係についての詳細は、依然として不明のままだったという。
この遺跡を最初に発掘した河北省文物考古研究所のFa-Gang Wang氏は、「この遺跡は、中国で知られているどの遺跡とも異なっており、早い時期に新しい文化的特徴を備えています」と述べている。(了)
出典元:INDEPENDENT:Archaeologists unearth evidence of ‘innovative’ Stone Age culture from 40,000 years ago in China(3/3)