ハチだって楽しみたい!人間と同じようにボールで「遊ぶ」ことが判明
イギリスの科学者によって、マルハナバチ(バンブルビー)がボールで遊ぶことが明らかにされた。
ロンドン大学の研究者が分析
この研究を行ったのは、ロンドン大学クイーン・メアリー校などの研究者らだ。
同大学の感覚・行動生態学教授であるLars Chittka氏の研究チームは、まず実験設備を設計。45匹のマルハナバチに、障害物のない道を歩いておやつをもらうか、木のボールのある場所に入るかの選択肢を与えたという。
その結果、個々のハチは実験期間中、それぞれ1回から117回も、ボールを転がしたそうだ。このような繰り返しの行動から、ボール転がしには何らかの報酬(メリット)があることが示唆されたという。
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生存戦略とは無関係
さらに研究チームは、42匹のハチに色のついた2つの部屋を用意。片方の部屋には木の玉を入れるという実験も行った。
そしてボールを取り除いたところ、ハチたちは以前ボールが置かれていた色の部屋を好むようになったという。
その結果、ハチが遊び以外の大きな目的でボールを動かしているという考えは排除された。つまり遊びで、ボールを転がしていることが示唆されたそうだ。研究者らは、論文で次のように説明している。
「私たちは、ボール転がしが直接的な生存戦略には貢献しておらず、内発的な報酬(ここでは喜び)を得られるものだとわかりました。またこれらの行動は、機能的行動とは形の上で異なり、繰り返されるがステレオタイプ(画一)的ではなく、ストレスのない条件下で開始されることが分かりました」
Our paper is out! Do bumble bees play?https://t.co/sURPLUPGWN
@CwynSolvi @AmeliaKowalewska @KaarleMakela @HaDiMaBouDi @LChittka @QM_SBBS @QMULSciEng pic.twitter.com/Tr5cfOnbnk
— Samadi Galpayage (@SamadiHGD) October 27, 2022
またChittka教授も、次のように述べている。
「この研究は、昆虫の心が、我々の想像よりも、はるかに洗練されているという強い示唆を与えてくれます。ただ楽しむために遊ぶ動物はたくさんいますが、ほとんどの例は若い哺乳類や鳥類によるものです。昆虫は、従来信じられてきたような、心のない、無感動な生き物とは、はるかにかけ離れた存在です。私たちは、全力で保護する必要性を裏付ける証拠を生み出し、それらは増え続けているのです」(了)
出典元:METRO:Bumblebees ‘play with balls for enjoyment’ say scientists(10/28)