ジェームズ・ウェッブ望遠鏡、砂時計のような不思議な宇宙の様子を撮影
NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、これまでにない宇宙の様子をとらえることに成功した。
オレンジとブルーの塵が放出された様子
NASAは11月17日、ジェームズ・ウェッブ望遠鏡で撮影されたオレンジとブルーの塵が放出された、砂時計のような不思議な画像を公開した。
これは原始星「L1527」として知られる、非常に若い星を捉えた画像なのだが、実はこの星は砂時計のくびれた部分で回転する、ガス状の円盤の縁に隠れて暗闇の中にあるという。
そして円盤の上部と下部から、オレンジとブルーの塵が放出され、それがちょうど砂時計のような姿を作り出しているそうだ。
これまで見ることはできなかった
オレンジとブルーの雲は、星から放出された物質が、周囲の物質と衝突してできたもので、塵は青い部分で最も薄く、オレンジ色の部分で最も厚いという。
この星は地球から約430光年離れたところにある「おうし座分子雲」に位置しており、そこには何百もの形成途中の星が存在すると言われている。
またこの原始星は、誕生からわずか10万年、星形成の最も初期の段階にあり、まだ自らエネルギーを生み出すことができないそうだ。
NASAと欧州宇宙機関は11月16日に声明を発表。「このカラフルな雲は、赤外線でしか見えないため、ウェッブの近赤外線カメラ (Nircam) が撮影するまで、決して目撃されることはなかった」と述べている。
また声明では「L1527は、太陽と太陽系が初期にどのような状態であったかを知るための手がかり(窓)を提供するものです」とも述べられている。(了)
出典元:The Guardian:Nasa space telescope reveals celestial hourglass formed by embryonic star(11/16)