太陽光を水素に変換、効率的に作り出すデバイスを開発【ライス大学】
アメリカの大学で、エンジニアが太陽光から効率的に水素を作り出すデバイスを開発した。
記録的な効率で水素を生み出す
この研究に携わったのは、テキサス州にあるライス大学、化学・生体分子エンジニアの研究チームだ。
彼らは次世代型のハライド・ペロブスカイト半導体と電気触媒を組み合わせ、太陽光を水素に変えることができる単一のデバイスを開発。
このデバイスは耐久性、コスト効率、拡張性に優れており、記録的な効率で太陽光から水素を生み出せたという。
この新技術は、クリーンエネルギーにとって大きな前進であり、太陽熱を利用した電気を使い、原料を燃料に変換する幅広い化学反応のプラットフォームとして機能する可能性があるそうだ。
変換効率20.8%を達成
ライス大学の化学・生体分子エンジニア、アディティヤ・モハイト氏の研究室に所属する科学者たちは、統合型光リアクター(反応器)を構築、
これにより、太陽光から水素への変換効率において、20.8%を達成したという。
化学・生体分子工学博士課程の学生で、この研究の主執筆者の1人であるオースティン・フェール氏は、次のように語っている。
「化学物質を製造するためのエネルギー源として、太陽光を利用することは、クリーンエネルギー経済への大きなハードルの1つです。私たちの目標は、太陽由来の燃料を生成できる、経済的に実現可能なプラットフォームを構築することです。ここでは、光を吸収し、その表面で水分解化学反応を完了させるシステムを設計しました」
これまで、光電気化学技術を使ってグリーン水素を製造することは、低い効率と半導体の高コストによって妨げられていたそうだ。
しかしこの装置では、光の吸収、電気への変換、化学反応への電力利用が、すべて同じ装置内で行われるという。
また彼らの装置は、記録的な効率で、しかも非常に安価な半導体を使用している点で優れているそうだ。
この技術の安定性とスケールがさらに向上すれば、水素経済を切り開き、化石燃料から太陽燃料へと人類の物作りの方法を変えるかもしれないという。(了)
出典元:Rice University:Device makes hydrogen from sunlight with record efficiency(7/20)