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屋根を明るい色に塗ると気温の上昇が抑制される?熱波の際の死者が減る可能性も

屋根を明るい色に塗ると気温の上昇が抑制される?熱波の際の死者が減る可能性も
Unsplash

熱波の影響により、多くの人が命を失っている今日。

 

そんな中、英国の研究により屋根の色を明るく塗ることで気温の上昇を防ぎ、酷暑に曝される多くの人命を救うことが出来る可能性があることが明らかとなった。

 

都市部と郊外では9度も気温が異なっていた

 

この研究を行ったのは、英国オックスフォード大学率いる研究チーム。

 

研究チームは、太陽光を反射することの出来る屋根が、酷暑に曝される都市の気温を低下させることにどれほど寄与するのかということと共に、それによって熱中症等によって亡くなる人命をどれほど救うことが出来るのか推定を行ったという。

 

この太陽光を反射することの出来る屋根というのは、その表面が明るい色に塗られていることなどにより、一般的な屋根よりも太陽光を反射しやすくなっているものを指す。

 

研究においては、ウェスト・ミッドランズ州とそれに位置する都市バーミンガムの2003年と2006年の天候をモデルとして使用。太陽光を反射できる屋根が設置されている範囲に応じて、どのように気温が変化したか調査を行った。

 

するとバーミンガムの都市部と郊外部とでは、“ヒートアイランド現象”の影響により、最大で9度も気温に差があったことが判明したという。

 

バーミンガムの街並み(Wikipedia Common)

“ヒートアイランド現象”が熱中症による死の原因に

 

農村部などの地方と比較し、都市部の気温は“ヒートアイランド現象”の影響により、数度程度高くなっているのが通常だ。

 

“ヒートアイランド現象”とは、都市部における植物の少なさや湿度の低さなども一因となる一方、その最大の原因は都市部の建築物が熱を溜め込んでしまうことにある。

 

このような都市部の環境下において熱波が発生すると、日中の気温は危険なほどまでに高くなり、健康に深刻な影響を及ぼしたり、さらには死亡率までをも引き上げてしまう。

 

これまでに行われた研究においては、ウェスト・ミッドランズ州では熱波の間に起きた“ヒートアイランド現象”による気温の上昇が、約40~50%もの熱中症等による死亡の原因となっていたことも明らかとなっているという。

 

Pixabay

明るい色の屋根で最高気温が最大3度も下がる

 

一方、今回行われた研究によっては、太陽光を反射できる屋根を設置することにより、都市部において熱波が発生している際の日中の最高気温を最大3度程度まで下げることが可能であることが示唆されている。

 

さらにこのように気温を下げることが出来れば、熱波の際における“ヒートアイランド現象”を原因とする熱中症等による死亡率を、25%程度減少させることも潜在的には可能であるとのことだ。

 

“ヒートアイランド現象”による影響は、建物が日中に蓄積された熱を夜中の間に少しずつ放出させるため、夜間に現れることが最も多いとされる一方、太陽光を反射できる屋根を設置することによる影響は、日光が屋根によって反射される日中の最も気温が高い時間帯に現れるという。

 

ただ、このような屋根の設置がもたらす影響は、建物の構造によって異なってくるのも事実だ。

 

工業用建築物や商業用建築物の半数に太陽光を反射できる屋根を設置すれば、全ての居住用建築物に設置するのと同程度の気温低下の効果が現れるとみられている。

 

Pixabay

 

この研究に携わったオックスフォード大学のClare Heaviside氏は、気候の変化と都市化により、都市部に暮らす人々が将来的により高い気温に曝される可能性がある一方、建物や都市そのものがこのようなリスクを低減することができる可能性を指摘。

 

「このような研究は将来の我々の都市における健康上のリスクを減少させるため、実施するのに最も効果的な方法を見極めるための助けとなり得る」としている。

 

年々夏の暑さが厳しくなってきているように感じられる昨今。都市に暮らす人々が酷暑にあっても少しでも快適に安全に生活を送ることができるよう、明るい色の屋根の導入が検討されてみても良いのかもしれない。(了)

 

出典:Phys.org:Reflective roofs can reduce overheating in cities and save lives during heatwaves(4/5)

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