サウジアラビアの遺跡で、ラクダが描かれた美しい岩絵を発見
サウジアラビアの遺跡で、岩に刻んで描かれたラクダの絵を、考古学者らが発見した。
数千年前に生息していたラクダ
その遺跡とは、サウジアラビア北部にあるナフード(ネフド)砂漠の南端に近い、サハウト(Sahout)と呼ばれる場所だ。
このサハウト遺跡は、以前から他の考古学者によって認識されていたが、岩に描かれたラクダの彫刻に気づいたのは、今回が初めてとされている。
描かれたラクダは数千年前、アラビア半島に生息していた種と考えられるが、現在では絶滅しているという。
他の絵も重なって描かれる
この岩絵には、ラクダの姿と重なるように、他の絵も刻まれているため、いつ、どこの文化がこのラクダを描いたのかは、分かっていない。
この研究論文の主執筆者である、ドイツのマックス・プランク地球人類学研究所の研究員、マリア・ガニン氏も、次のように語っている。
「露出した岩には、さまざまな時代の岩絵が密集しています。彫刻は様々な段階で行われ、様式的にも異なっていることがわかります」
岩絵の年代測定も困難
しかもほとんどの岩絵が裂け目の中に彫られているため、放射性炭素年代測定が困難だったそうだ。
ただし、2つの溝と2つの囲炉裏の放射性炭素年代測定から、サハウト遺跡には更新世(260万年前から1万1700年前)から、完新世中期(7000年前から5000年前)にかけて、繰り返し人が住んでいたことが分かったという。
また動物の毛皮や性別が、自然主義的なスタイルで描かれていることも、いつ作られたかを知る手がかりになるそうだ。
サウジアラビアでラクダの岩絵が発見されたのは、サハウト遺跡だけではない。2018年には、考古学者がサウジアラビア北西部の砂漠にあるアル・ジュフ県で、2000年前に等身大のラクダの群れが描かれた岩絵を発見している。(了)
出典元:Livescience:Mysterious and ‘beautifully carved’ life-size camel carvings discovered in Saudi Arabian desert(9/30)