「ダンボ」の耳のようなヒレを持つタコ、新たな映像を撮影
ハワイの深海で、珍しいタコの姿が撮影され、その動画が公開されている。
水深1675メートル付近で遭遇
そのタコを発見したのは、「Ocean Exploration Trust(OET)」の探査船「Nautilus」に乗船していた研究者たちだ。
彼らはハワイのパパハナウモクアケア海洋国定公園(PMNM)の北にある海山の海底(水深1682メートル)を、遠隔操作艇(ROV)を使って探査していたという。
そして9月13日には、ヒレをパタパタさせながら泳ぐ「ダンボタコ」に遭遇したそうだ。
Grimpoteuthis属の未確認種
この「ダンボタコ」は、地球上で最も深い海に生息するタコの1種で、Grimpoteuthis属の未確認種とされている。
海洋保護団体「Oceana」によると、Grimpoteuthis属には15種の「ダンボタコ」がおり、そのほとんどが水深4000メートル以上の深海に生息しているという。
また他の多くの頭足類は、サイフォンと呼ばれる漏斗状の器官を使って水を噴出しながら移動するが、この「ダンボタコ」は大きな耳のようなヒレを使って移動するそうだ。
またこのタコは、腕に水かきがあり、メスが精子を蓄えて後日卵子と受精することができる点でも、他のタコと異なっている。
さらに「ダンボタコ」は捕食者に遭遇する機会がほとんどないため、墨袋がなく、カモフラージュ能力が低下しているという。
これまでに発見された最大の「ダンボタコ」の体長は、1.8メートル。しかし、ほとんどの個体の体長は20~30センチとされている。
今回の映像のタコが、どれほどの大きさなのかは明らかになっていない。
深海に生息するため、「ダンボタコ」が野生で見られることは滅多にないともいわれている。(了)
出典元:Livescience:Watch ghostly dumbo octopus swim with its massive ‘ears’ in rare new footage(9/30)