宇宙旅行で民間人が滞在できる初のステーション、商業用のプロジェクトが進行中
現在、商業用の宇宙ステーションのプロジェクトが進められ、すでにそのデザインも公表されているのをご存知だろうか。
完成すれば1週間に100人が訪れる
その建物とは「Von Braun Space Station」。これは観光客が宿泊できるホテルとして計画されており、開発企業「Gateway Foundation」のTim Alatorre氏によってデザインされたという。
この宇宙ステーションは直径190mで、回転させることで月と同じような重力を持ち、宿泊施設や支援機能を持つ24のモジュール(部屋)が作られるそうだ。
またそれぞれの部屋にはキッチンやバーなど備えられ、内装もなじみやすい作りになる予定だとされている。
月と同じような重力とはいえ、トイレも通常の方法で利用でき、シャワーもリサイクルされた水を使い、食べ物も普通のレストランで提供されるとか。
そして現在、2025年までの運用を目指しており、完成すれば1週間ごとに100人の旅行客が訪れるようになるという。※下は2016年に発表されたイメージ動画。
「宇宙旅行がオプションの1つになる」
この宇宙ステーションは国際宇宙ステーション(ISS)の技術を使って建設される予定で、そのデザインの基になっているのが、戦争中ドイツでV2ロケットの開発に携わったヴェルナー・フォン・ブラウン(Wernher von Braun)氏が、1950年代に発表したコンセプトだという。
しかし実際に、宇宙への旅は将来どのようになるのだろうか。Alatorre氏は次のように語っている。
「最終的に宇宙へ行くことは、長期休暇で選ぶもう1つのオプションになるでしょう。ちょうど豪華クルーズ船に乗ったり、ディズニーワールドへ行ったりするようにね。全体のコストは非常に高いため、多くの人々は宇宙旅行がスーパーリッチな人々しか利用できないと思うかもしれません。私も最初の数年間は、そうなると思います。しかしGateway Foundationでは、宇宙旅行を人々にオープンにすることを目標に掲げているのです」
この「Von Braun Space Station」にはレストランやバーもあり、コンサートも開かれ、映画鑑賞やセミナー開催もできるようになるという。
またモジュールのいくつかは、個人用の住宅として販売もされ、政府や研究機関などが他の人に貸し出すことも可能になるようだ。
民間人が宇宙に滞在できるためのステーション。現在、建設やプロジェクトがどこまで進んでいるのか知りたいところだ。(了)
出典元:dezeen:Visiting space will be “just like going on a cruise” says space hotel architect(8/29)