「学校再開で親が激怒、航空機の運行停止…」インドの大気汚染が大変なことに
インドの首都、ニューデリーで大気汚染がひどい状況となり、さまざまな事態が起きている。
非常事態宣言を発令し、学校を休校へ
インド当局は先週、街が有害な微粒子状の物資を含むスモッグに覆われ、大気汚染レベルが深刻になったとして、非常事態宣言を発令した。
そして子供たちが通う学校を休校にし、汚染を軽減するための苦肉の策として、首都に入るトラックなどの車両を一時的に制限したという。
さらに先週の木曜日には、ボランティアが街頭に立って、道行く人々にマスクを配る事態にもなったそうだ。
実際、どの程度ひどい状況なのか。インスタグラムには、白い大気が立ち込める街の中を自転車で走っていく動画も公開されている。
都市近郊での野焼きも原因か
ニューデリーは世界でも最も大気汚染が深刻な都市の1つとされているが、特にこの時期は近郊に住む農家が畑を焼くために汚染の状況がひどくなるという。
また車の排気ガスや工場などからの煙も影響を及ぼしているようだが、街でも人々が暖をとるため路上で火を焚き、さらにこの時期は風が止むために、汚染物質が停滞するとも言われている。
この大気汚染とみられる影響で先日、インドに住む健康だった少年が3日間も病院に入院するケースもあったとか。
そのため人々はマスクをつけたり、スカーフを口に当てたりしては吸い込まないよう心がけ、自ら外出する時間を制限したり、仕事を休んで自宅に待機したりする人もいると言われている。
米の航空会社も運航をキャンセル
しかし11月13日、学校側はテストなどが迫っていることから、授業を再開すると宣言。この決定に対し、幾人かの親たちはこのような汚染状況では、子供たちを通わせられないと激怒しているという。
またアメリカのユナイテッド航空もこの大気汚染の影響で、運行を少なくとも13日まで停止すると宣言。ニュージャージー州からニューデリーまでの便を、キャンセルすると発表したそうだ。
アメリカ大使館のモニタリング機器が観測したところ、先週の8日には日中のPM2.5の値が1000以上に達していたとされ、これは世界保健機関の安全レベルの40倍もの数値だと言われている。(了)
出典元:ABC News:New Delhi residents offered masks as city chokes on smog(11/9)
出典元:AFP:Parents angry as Delhi schools reopen despite smog(11/14)
出典元:News Week:NEW DELHI AIR POLLUTION CAUSES UNITED AIRLINES FLIGHT CANCELLATIONS(11/11)