第2次世界大戦中に死亡したパイロットの遺骨、74年ぶりに家族の元へ戻る
戦死したアメリカ人パイロットの遺骨が、長い年月の末に家族の元へと戻されることになり、注目されている。
フランス北部で墜落し死亡したパイロット
そのパイロットとは第2次世界大戦で、ドイツ軍と戦ったFrank Fazekas大尉(22)。
彼は1944年、ノルマンディ上陸作戦の1週間前にP47サンダーボルトという戦闘機に乗り、フランス北部の上空を飛行していたそうだ。
しかしその後撃墜され、Dunkirkという街の南、約30km離れたBuysscheure農場に機体とともに墜落してしまう。
当時の様子を目撃していたMarc Coocheさん(86)によれば、その時地面には大きな穴が開き、爆発音と共に機体は燃え上がり、4mから5mほどの炎が上がったという。
そしてFazekas大尉は死亡。当時彼には若い妻と男の子の赤ん坊がいたが、アメリカ政府は遺体を回収できないと発表したとされている。
米大学の調査で墜落現場を特定
その後、Fazekas大尉が墜落した場所には一時的なお墓が作られたが、その後農場として利用され、彼の遺体は70年以上も地中深く眠ったままとなっていた。
しかし数年前からウィスコンシン大学がアメリカ国防省と共同で、当時戦死して行方不明となった兵士らの居場所を特定する作業を実施。その結果、Fazekas大尉の遺骨がBuysscheure農場にあるのを突き止めたという。
Fazekas大尉の息子であるFrank Fazekas Jrさん(74)は、それまで父親の遺体がベルギーのお墓にあると思っており、2015年に亡くなった母親の遺灰を父親のお墓に撒くことを計画していたそうだ。
だが2015年に行われたWisconsin大学からの報告により、Fazekas Jrさんは実際に父親が墜落した場所を訪れ、目撃したCoocheさんとも会い、当時の様子を確認できたとされている。
そして2016年から2017年にかけて発掘調査が行われ、Fazekas大尉の遺骨を発見。今年の近日中には、バージニア州にある自宅に戻され、妻の遺灰の横に安置される予定だという。
日本でも多くの兵隊の遺骨が回収されないままとされているが、家族のためにもこのような作業を是非、進めていただきたい。(了)
出典元:euronews:American WWII fighter pilot’s body returned from France after 74 years(3/27)
出典元:CBS:Remains of American pilot killed during World War II finally returned home(3/26)