顔認証システムにより5日間で約3000人の行方不明の子供を特定:インド
毎年、多くの子供たちが行方不明になっているインドで、新しい顔認証システムを使った実証実験が行われた。
5日間で3000人の行方不明者を特定
このテストを行ったのは、インドの首都を管轄するデリー警察。彼らは実験に先立ち、あらかじめ異なった家に住む4万5000人の子供たちの顔をスキャンしたという。
そして4月6日から4月10日まで、このシステムを使って行方不明の子供たちを捜索したところ、わずか5日間で2930人の子供らを特定できたそうだ。
これにより、現在は行方不明になった子供達と家族を引き合わせるための努力が行われていると言われている。
Nearly 3,000 missing children hv been traced in 4 days… despite WCD ministry hs not provided data. DHC also pulled up the center fr not sharing the details of missing kids with the police despite its orders. pic.twitter.com/2PWJxCG69t
— nasm (@NaseemTweets) April 23, 2018
デリー警察が自由にデータを使えない
この新しい顔認証システムは行方不明者とあらゆる子供達の顔の特徴を照合させるため、写真やプロフィールなどの膨大なデータ・ベースを使用するという。
しかしこの実験を行う前、インドの女性子供省は行方不明になった子供らの写真などのデータの提供を拒否。
その後、話し合いの後に一時的にデータは提供され、今回の実験により大きな成果が出たのだが、現在もデリー警察が自由にデータを使うことはできないそうだ。
このため子供の人権を守るNGOの「Bachpan Bachao Andolan」は、このソフトウェアを無料で警察が使用できるよう提案し、働きかけており、国家子供権利保護委員会(NCPCR)も、警察に顔認証システムのソフトウェア利用を認めるキャンペーンを行っているという。
Nearly 3,000 missing children have been traced in four days, thanks to the facial recognition system (FRS) software that the Delhi Police is using on a trial basis to track down such children. pic.twitter.com/WLnuBMLvb3
— India For Children (@India4children) April 24, 2018
2年間で11万人の子供が行方不明に
しかしそれにしても、行方不明になった子供の数が約3000人というのは多すぎるのではないか。
そこで過去の記事を調べてみると、インドでの行方不明の子供に関する当時の調査研究について、BBCが伝えていた。
それによれば2008年1月から2010年1月にかけて、インドの20州、392地区では11万7480人の子供たちが行方不明になっており、多くは貧しい家庭の出身で、彼らは重労働を強いられたり、性的虐待も含めた過酷な環境に置かれたりしているという。
Facial recognition system helps trace 3,000 missing children in 4 days https://t.co/ozHSD6NCFM pic.twitter.com/0HraxH4D9I
— NDTV (@ndtv) April 23, 2018
また行方不明になっても報告されないケースも多いため、実際の数はさらに増える可能性もあるそうだ。
このような子供の多くは誘拐され、行方が分からなくなったと言われている。彼らと家族のためにも、この顔認証システムが威力を発揮することを願う。(了)
出典元:Good News Network:Facial Recognition System Helps Trace 3,000 Missing Children in 4 Days(4/23)
出典元:NDTV:Facial Recognition System Helps Trace 3,000 Missing Children In 4 Days(4/22)
出典元:BBC:Thousands of Indian children missing, says report(2011/12/8)