イスラエル軍がガザ地区北部の病院を制圧、多くの医療関係者を拘束
イスラエル軍が、ガザ地区北部にある病院を襲撃し、医療関係者を拘束、連行した。
病院が機能停止に陥る
まずイスラエル軍はガザ市にあるアル・アハリ病院を一晩中襲撃し、正面玄関の壁を破壊、病院に避難しているパレスチナ人に移動するよう強制したという。
その後、イスラエル軍は病院で働いていた、ほとんどのスタッフを拘束・連行したそうだ。
結局、病院には医師2名、看護師4名、用務員2名だけが残され、水道も電気も使えない状態で、100名以上の重傷患者の世話をすることになり、事実上機能を停止したという。
同病院のファデル・ナイム院長も、「病院は機能停止になった。患者も負傷者も受け入れることができない」と述べている。
「国境なき医師団」のスタッフも拘束
また「国境なき医師団(MSF)」によると、イスラエル軍はガザ北部のアル・アウダ病院を12日間包囲した後、12月17日に制圧したという。
その後、病院にいた16歳以上の男性らが連れ出され、服を脱がされ、拘束され、尋問されたそうだ。しかもその中には、「国境なき医師団」のスタッフ6名も含まれていたという。
連行された男性らのほとんどは、尋問後に病院に送り返され、病院から動かないよう命じられたそうだ。
同病院には14人の子供を含む十数人の患者が入院しているが、酸素や麻酔などの必需品となる医療物資が枯渇しているという。
On 17 December, Israeli forces took control of Al Awda hospital, after besieging it for 12 days. Males over 16 years old were taken out of the hospital, stripped, bound and interrogated – six MSF staff were among them…
— MSF International (@MSF) December 19, 2023
Over the past 10 weeks, Al Awda has been besieged, damaged in strikes, and medical staff have been killed in blasts. It is the last functioning hospital in the north of Gaza that we know of.
— MSF International (@MSF) December 19, 2023
南部への空爆で25人が死亡
ガザ地区の保健当局は12月19日、イスラエル軍がガザ南部の住宅を爆撃し、25人が死亡したと発表した。
またイスラエル軍は、ガザ北部にあるジャバリア難民キャンプへも攻撃を行い、少なくとも13人のパレスチナ人が死亡、75人が負傷したという。
Don’t Look Away: Another masacre has taken place in Jabaliya pic.twitter.com/fyw6zuh2TZ
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) December 19, 2023
すでに10月7日以来、イスラエル軍による攻撃で、パレスチナ人の死者は約2万人に及んでおり、約200万人の人々が家を追われている。
しかも彼らは食糧やきれいな水も得られず、衛生設備をほとんど利用できない。このようなパレスチナ人の過酷な状況は、国際的な怒りを増大させている。
イスラエル国防相「地上戦を拡大する」
そんな中、イスラエルのヨアヴ・ガラント国防大臣は、さらにガザ地区での地上作戦を拡大すると述べた。
ガラント国防大臣は、ガザ国境を視察中、タイムズ・オブ・イスラエル紙に対して、地上作戦は「追加地域」に拡大されるだろうと述べたという。
その「追加地域」とは、ガザ地区中央部や南部の都市、ラファになると考えられている。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Gaza war live: UN security council in ‘intense’ ceasefire debate as vote delayed again; Qatar says separate talks ‘positive’(12/19)