「国境なき医師団」の避難所にもイスラエル軍が攻撃、職員の娘が死亡
ガザ地区南部と中部ではイスラエル軍の激しい攻撃が続いており、特に中部にあるヌセイラトの難民キャンプや、南部のラファで多くの犠牲者が出ている。
ガザ地区最南端の都市へ攻撃か
パレスチナのメディア「Wafa」通信によれば、1月9日、ガザ南部のラファにある建物に対しイスラエル軍が空爆を行い、少なくとも15人が死亡、さらに数十人が負傷したという。
ラファにいる「アルジャジーラ」のタレク・アブ・アズズム記者は、ガザ最南端の都市タル・アル・スルタン地区にある高層住宅へ攻撃が行われたと伝えている。
タル・アル・スルタン地区は、ラファでも最も人口密度の高い地域で、攻撃を受けた建物は、大量の仮設テントが設けられたアル・マワシ地域の避難所からわずか数メートルしか離れていなかったそうだ。
またガザ地区中部のヌセイラト難民キャンプへの攻撃も続けられ、そこでもパレスチナ人数人が死亡したとアズズム記者は伝えている。
下の動画は、地元のパレスチナ人写真家シャディ・マフムード氏が撮影した、イスラエル軍による攻撃後のガザ市の様子。
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国境なき医師団の家族が死亡
一方、ガザ地区南部のハンユニスでもイスラエル軍による攻撃が続いており、1月8日には国境なき医師団(MSF)の避難所が砲撃を受け、犠牲者が出ている。
国境なき医師団(MSF)によれば、1月8日の朝、MSFの職員とその家族100人以上が避難していた建物が攻撃を受け、イスラエル軍の砲弾が壁を突き破ったという。
この攻撃でMSF職員の5歳の娘が重傷を負い、1月9日にはそのケガがもとで死亡したそうだ。
国境なき医師団のトーマス・ロービン氏は、強い言葉でイスラエルの攻撃を非難し、次のように語った。
「私たちはMSFスタッフの家族が、また一人亡くなったことに憤り、深い悲しみを感じています。この民間人への攻撃は容認できないものであり、ガザ地区のどこにいても安全な場所はないということを改めて示しています。砲弾は衝撃で爆発しませんでした。そうでなければ、さらに多くのスタッフとその家族が命を落としていた可能性が高いでしょう」
この砲弾はイスラエル軍の戦車から発射されたものに酷似しており、また紛争が始まって以来、MSFの職員4人と多数の家族が殺害されたという。
ガザ地区の保健当局の発表によれば、過去24時間にパレスチナ人約126人が死亡、241人が負傷し、パレスチナ人の死者は合計で2万3210人、負傷者は5万9167人になったという。
ベルギーのペトラ・デ・サッター副首相は「X」において、「ベルギーはガザ地区における計り知れない人々の苦しみを傍観することはできません。私たちは大量虐殺の脅威に対して行動しなければなりません」と投稿した。(了)
Belgium cannot stand by and watch the immense human suffering in Gaza. We must act against the threat of genocide.
I want Belgium to take action at the International Court of Justice, following the lead of South Africa.
I will propose this within the Belgian government. #begov
— Petra De Sutter (@pdsutter) January 9, 2024
出典元:Aljazeera:Israel’s war on Gaza: Four Hezbollah members killed in Israeli attacks(1/9)