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ガザ地区への支援物資の空中投下で5人が死亡、パラシュートが開かず

ガザ地区への支援物資の空中投下で5人が死亡、パラシュートが開かず
X_Mario Nawfal

ガザ地区へ支援物資を届けるために現在、アメリカ軍などにより空中投下が行われているが、そこで事故が起き、複数のパレスチナ人が死亡した。

 

5人が死亡、数人が負傷

 

ガザ地区のメディア・オフィスによれば、パラシュートが開かず、群衆の上に空中投下された支援物資が落下し、5人が死亡、数人が負傷したという。

 

支援物資の空中投下には以前から、疑問符がつけられており、届けられる量も少なく、事故につながることが予想されていた。

 

ガザ地区のメディア・オフィスも、事故を受け、次のように述べている。

 

「このような形での支援物資の投下は、人道的奉仕というより、派手なプロパガンダです。私たちは以前、ガザ地区の住民の命に脅威をもたらすと警告しましたが、今日、荷物が住民の頭の上に落ち、このような事態になりました。(略)手遅れになる前に、陸路を通って支援物資を届けてください」

 

ガザ地区では、すでに20人が餓死したと確認されており、70万人以上のパレスチナ人が飢えに苦しんでいる。

 

イスラエルへの軍事支援を続ける米政府に批判

 

アメリカのジョー・バイデン大統領は一般教書演説で、ガザ地区の海岸に臨時の港(浮き桟橋)を建設し、支援物資を届けると発表したが、計画と実行には数週間かかると見られている。

 

また一部の専門家は、アメリカ政府のこのような動きは、イスラエル軍が支援物資の搬入を一貫して阻止していることや、数十万人のパレスチナ人が飢えに苦しんでいるという事実から、注意をそらす試みだと非難している。

 

食料の権利に関する国連の特別報告者であるマイケル・ファクリ氏も、ジュネーブで記者団に対し、特に空中投下が「飢餓による栄養失調の緩和には、ほとんど役に立たず、飢餓の進行を遅らせることにもならない」と指摘。

 

その上で、アメリカによるイスラエルへの軍事支援が続く限り、港の計画や空中投下は「ばかばかしく」「皮肉な手法だ」と非難した。

 

国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」も、ガザ地区の子供たちは飢えと病気で命を落としており、臨時の港の建設まで待つことはできないと指摘。同団体のジェイソン・リー氏は「子供たちは、すでに栄養失調で死につつあり、彼らの命を救えるのは数週間ではなく、数時間か数日の問題なのです」と語っている。

 

人道支援物資の搬入はトラックが最も効率よく、大量に運べるとされ、専門家らはアメリカ政府が検問所を解放するよう、イスラエル政府に圧力をかけるべきだと指摘してきた。

 

南部でも空爆により9人が死亡

 

そんな状況においても、ガザ地区ではイスラエル軍の攻撃が続けられており、3月8日にも南部のラファでは空爆により、2軒の住宅が破壊され、子供を含む9人のパレスチナ人が死亡したという。

 

またガザ市東部のTuffah地区でも、イスラエル軍により住宅が攻撃され、少なくとも2人が死亡、1人が負傷したと報告されている。

 

ガザ地区の保健当局の発表によれば、10月7日以来、イスラエル軍による攻撃で、少なくとも3万878人のパレスチナ人が死亡、7万2402人が負傷したという。(了)

 

出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: 5 killed as airdropped aid strikes Palestinians(3/8)

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