「ハマス」指導者の息子と孫が、イスラエル軍の空爆により死亡
ガザ地区において、パレスチナ・イスラム武装組織「ハマス」の指導者の息子たちが、イスラエル軍により殺害された。
車がイスラエル軍の空爆の標的に
「ハマス」の指導者、イスマイル・ハニヤ氏の3人の息子と、少なくとも2人の孫が4月10日、イスラエル軍の空爆により死亡したという。
ハニヤ氏は10日、カタールのドーハにおいて、「アルジャジーラ」に対し、次のように語った。
「息子のハゼムとアミール、モハメッド、そして彼らの子供たち数人が、ガザ地区北部のシャティ難民キャンプの親戚を訪ねていたところ、車がイスラエル軍の空爆の標的にされた」
またハニヤ氏によれば、ガザ地区での6カ月に及ぶ攻撃により、彼の親戚のうち60人が死亡しており、その中には昨年10月、実家がイスラエル軍に空爆されて死亡した、14人も含まれているという。
その上で、ハニヤ氏は「ガザ地区のすべての国民とすべての家族は、血で大きな代償を払ってきました。私もその1人です」と語った。下は、息子たちの死亡を聞かされた時の様子。
This is the moment when Hamas leader Ismail Haniyeh received news that his sons and grandchildren were killed by an Israeli air strike during his visit to a hospital in Doha treating those who were wounded in Gaza. pic.twitter.com/OarOQFxYmP
— Middle East Eye (@MiddleEastEye) April 10, 2024
イスラエル軍も声明で、ハニヤ氏の息子たちを「ハマスの3人の工作員」と呼び、「テロ活動を行う途中だった」とし、標的にしたことを認めた。
しかしハニヤ氏は、今回の攻撃によっても、アメリカとカタールが仲介しているガザ地区での停戦交渉における、「ハマス」の要求、恒久的な停戦と、パレスチナ避難民の帰還という要求は変わらないと述べている。
イスラエル側が停戦交渉を拒否
しかしイスラエル側は、停戦をしたくないらしく、これまでも「ハマス」側が妥協案を提出したにも関わらず、合意を拒否し続けている。
「ハマス」の政治・国際関係部門の責任者であるバセム・ナイム氏は、アルジャジーラに対し「イスラエルの首相は、停戦合意に至るあらゆる機会を阻止、あるいは台無しにするために最大限の努力をしている」と語った。
またアメリカのジョー・バイデン大統領も、停戦交渉におけるイスラエルのネタニヤフ首相の行動は「間違い」だと発言。次のように語ったという。
「私は彼のアプローチには同意しません。私が求めているのは、ただイスラエル側が停戦を求め、今後6、8週間、国内(ガザ地区)に入るすべての食料と医薬品への完全なアクセスを許可することです」
アメリカ政府は、これまで停戦交渉が合意に至らないのは、「ハマス」側の責任だと発言してきたが、今回のバイデン大統領の言葉は、その転換を示したと考えられている。(了)
出典元:The Guardian:Hamas leader repeats Gaza ceasefire call after sons and grandchildren killed(4/10)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Israeli attack kills sons of Hamas chief Haniyeh(4/10)