道の至るところで人が倒れ…サウジの大巡礼で1000人以上が死亡【動画】
サウジアラビアの聖地、メッカを目指す大巡礼「ハッジ」で、1000人以上が死亡した。
約10カ国の巡礼者、1081人が死亡
巡礼者が所属する約10カ国は、今年の「ハッジ」ですでに1081人が死亡したと報告しているという。
エジプトは6月20日に、新たに58人が死亡したと発表しており、パキスタンの外交官も巡礼に向かった15万人のうち、これまでに58人の死者が記録されたと明らかにした。
インドネシアの宗教省も、巡礼者24万人のうち、今年は183人が死亡した報告しており、他にもマレーシアやインド、ヨルダン、イラン、セネガル、チュニジア、スーダン、イラクのクルディスタン自治区でも、死者が確認されているという。
ただし多くの国では、死亡した人の死因などを明らかにしていない。しかし多くの人が、暑さによる熱中症で死亡したと考えられている。
SNSにも、道端で多くの人が倒れ、次々と遺体が運ばれていく動画も投稿されている。
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未登録者は涼む部屋を利用できない
またエジプト人はすでに658人も死亡しているが、そのうち630人が未登録の巡礼者だったという。
実は「ハッジ」では、毎年数万人の巡礼者が高額な公式許可証の費用を払うことができず、非正規のルートで参加しようとしているそうだ。
そして公式の許可証を持った180万人は、涼むために用意されたエアコン付きのスペースを利用できるが、非正規の人々はそのような施設を利用できないと言われている。
そのため、50℃を越える異常な暑さから、このように多くの死者が出たと考えられている。
エジプト外務省は6月20日、サウジアラビアの病院を訪問して情報を入手し、エジプトの巡礼者が医療を受けられるように支援していると発表。
しかしエジプト人の場合、「ハッジ」のデータベースに登録されていない巡礼者も多いため、行方不明者を捜索し、その親族を見つけることにも、2倍の労力がかかっているという。(了)
出典元:The Guardian:More than 1,000 hajj pilgrims die amid temperatures approaching 52C in Mecca(6/20)