イスラエル軍が安全地帯に指定したアル・マワシ地区を空爆、90人が死亡
イスラエル軍は7月13日、ガザ地区南部にあるアル・マワシ地区を攻撃し、多くのパレスチナの民間人を殺害した。
犠牲者のほとんどが女性や子供
イスラエル軍は、ガザ地区南部のラファとハンユニスの間にあるアル・マワシ地区を空爆し、少なくとも90人のパレスチナ人を殺害、300人が負傷したという。
しかも殺されたパレスチナ人のほとんどが、女性や子供だったそうだ。また現場へ向かった救急隊員や医療チームも、標的にされたと言われている。
そもそもアル・マワシ地区は、イスラエル軍が南部のラファを地上侵攻する前に、安全地帯に指定し、多くのパレスチナ人に避難するよう求めていた場所だ。
しかしイスラエル軍は、この地区に対し、戦闘機やドローンを使って攻撃、または砲撃を加えたという。
An Israeli attack on a designated humanitarian zone in al-Mawasi has killed 90 Palestinians. Thousands of displaced Palestinians were sheltering there.
Israel claims it was targeting Hamas military chief Mohammed Deif. pic.twitter.com/jl0hrd93dj
— Al Jazeera English (@AJEnglish) July 14, 2024
اللحظات الأولى للغارات الإسرائيلية على منطقة مواصي خان يونس#فيديو #حرب_غزة pic.twitter.com/UJoIxAOROM
— الجزيرة فلسطين (@AJA_Palestine) July 13, 2024
幹部が標的にされていたとの主張は虚偽
その後、イスラエル軍はこの攻撃について、アル・マワシ地区に「ハマス」の上級司令官2名とその他が、民間人の間に隠れていたと主張した。
しかし「ハマス」側は、イスラエルの主張を否定。「ハマス」の幹部は標的にされていなかったとし、「イスラエルの主張は、犯罪の規模と虐殺の規模を隠蔽し、このような虐殺を正当化しようとする試みである」と非難した。
またパレスチナ自治政府のモハマド・ムスタファ首相も、アル・マワシ地区へのイスラエル軍の攻撃を「大量虐殺」だとして非難した。
国連や世界各国が非難
国連の特別報告者であるフランチェスカ・アルバネーゼ氏も、イスラエルによって人道支援地域に指定されたアル・マワシ地区への攻撃は、いくつかの法的原則に照らして国際法違反であると非難した。
サウジアラビアの外務省も、アル・マワシ地区への攻撃を非難。イスラエルの人権侵害に対する「国際的な説明責任のメカニズムを発動するよう」求めたという。
また南米コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領も、イスラエルのアル・マワシ地区への攻撃を「最も大きな不正義」だとし、怒りを露わにしたそうだ。
他にもヨルダンやエジプト、イランも、アル・マワシ地区へのイスラエルの攻撃を非難している。
アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)も、イスラエルがアメリカの支援を受け続けられることを承知で、何の罰も受けずに、このような残虐行為を続けていると非難。
CAIRのニハド・アワド事務局長は、バイデン大統領に対し「こうした日常的な虐殺を助長させるのをやめろ」と訴え、次のように述べた。
「バイデン大統領が大量虐殺を支持し、沈黙を続けていることは、イスラエルによる、さらなる虐待と戦争犯罪にゴーサインを与えている」
またイスラエル軍は7月13日、ガザ市のシャティ難民キャンプにあるモスクも空爆。付近に集まって祈りを捧げていたパレスチナの人々を爆撃し、20人の死亡が確認されたという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Israeli air raids on al-Mawasi kill at least 90(7/13)