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ハンガリーのボクシング協会がIOCに抗議、過去に失格となった選手の出場を巡り

ハンガリーのボクシング協会がIOCに抗議、過去に失格となった選手の出場を巡り
X_Genevieve Gluck

ハンガリー・ボクシング協会は、アルジェリアのイマネ・ヘリフ選手の出場を認めた、国際オリンピック委員会に抗議を行った。

 

決定を再考するようIOCに要請

 

パリ・オリンピックの女子ボクシングで、性別資格をめぐる騒動が続く中、ハンガリー代表のアンナ・ルカ・ハモリ選手は、8月3日にヘリフ選手と対戦した。

 

しかしこの試合に先立ち、ハンガリー・ボクシング協会の理事ラヨシュ・ベルコ氏は国営通信社に対し、IOCに抗議し、以前出場禁止となったボクサーの出場を認める決定を再考するよう要請したと明らかにした。

 

またハンガリー・ボクシング協会はハンガリーオリンピック委員会にも書簡を送っており、同委員会も、女性選手の平等な機会と公正な競争の権利を保護するために、国際オリンピック委員会に対し、話し合いを行うよう求めたという。

 

イタリアの選手が46秒後に棄権

 

8月1日、アルジェリアのヘリフ選手は、イタリアのカリニ選手と対戦。しかし試合開始から46秒後に、カリニ選手は試合を棄権し、ヘリフ選手が女子格闘技に参加することに疑問を呈した。

 

また8月2日には、同じく台湾の選手である、リン・ユーティン選手が、ウズベキスタン代表のシトラ・トゥルディベコワ選手を、ポイントで破って勝利した。

 

ヘリフ選手と戦ったハンガリー代表のハモリ選手は試合前、SNSで次のように語っていた。

 

「私の個人的な意見では、この(ヘリフ)選手が女子部門で競技できるのは不公平だと思う…しかし、今は気にすることはできない。変えることはできない、これが人生だ」

 

ヘリフ選手とユーティン選手は、女性として生まれ、パスポートにも女性として登録されており、トランスジェンダーでもなく、ただ男性ホルモンのテストステロンの値が高いことに苦しんできたという。

 

このため東京オリンピックでは出場が許可されていたが、昨年の世界選手権では、性別適格性検査でテストステロンの値が上昇し、失格となった。

 

国際オリンピック委員会は、東京オリンピックで導入された、より緩い性別資格規則の下で、両選手が競技できるよう判断を下したという。

 

ただ昨年、世界選手権を主催した国際ボクシング協会(IBA)のウマル・クレムリョフ会長は当時、「DNA検査の結果、両選手はXY染色体(男性染色体)を持っていることが判明したため、試合から除外された」と述べていた。(了)

 

出典元:The Guardian:Hungarians protest over Khelif bout as Olympic boxing gender row escalates(8/2)

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