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新型コロナの影響で「うつ病」が増加、昨年に比べて2倍に:イギリス

新型コロナの影響で「うつ病」が増加、昨年に比べて2倍に:イギリス
flickr_Nenad Stojkovic

イギリスでは昨年の同じ時期に比べて、約2倍の成人が「うつ病」の症状を訴えていることが報告されている。

 

パンデミック前後で大きな変化

 

イギリスの国家統計局の報告によれば、新型コロナウイルスのパンデミックによって「うつ病」の症状を訴える人々が増えているという。

 

実際にパンデミック前には、10人に1人の割合で「うつ病」の症状が見られたものの、パンデミック以降には、その割合は5人に1人になっているそうだ。

 

この結果は、12カ月以上に及びフォローアップされた3500人の成人への調査に基づいたものとされている。

 

診断で聞かれる内容とは?

 

調査された人々は、「うつ病」を診断するために使われている基本的な質問を尋ねられたという。

 

彼らは過去2週間において、どのくらいの頻度で「うつ病」の症状を経験したのか、例えば睡眠や食欲の変化、興味や関心の減退、集中力維持の困難さなどがあったのかを質問されたそうだ。

 

この回答に基づいて、2020年6月にうつ病の基準に達した人はほぼ20%だったが、2019年7月から2020年3月までは10%弱だったとか。

 

調査期間中に悪化する人も

 

また「うつ病」と診断された人のうち、3.5%の人々には症状の改善が見られたという。

 

しかし13%の人は、調査期間中にも中等症から重症へと症状を悪化させていったそうだ。

 

そして「40代未満」「女性」「障がいを持っている方」などが、「うつ病」の症状を示しやすいグループになるという。

 

BBCの記事では、以前から「うつ病」に苦しみ、パンデミック後もさらに症状が悪化した女性について紹介している。

 

より弱い立場にある人に注目すべき

 

ノッティンガム大学のメンタルヘルスの准教授であるCharley Baker博士は、次のように述べている。

 

「気分が低く、抑うつ症状が多く出現する割合を目にするのは当然のことです。最も苦労していると強調されるべきなのは、すでに気分が低く、不安があり、健康状態が悪いといった、より弱い立場にある人々です」

 

しかし同時にBaker博士は、精神衛生的な症状の増加の全てが、医師の診察を必要とする人々の間に起きているわけではないと指摘。その上で次のようにも語っている。

 

「現在のパンデミックにおける合理的な反応として考えられるものを、過度に病理化する(病気として見る)ことを避けるのは重要です」

 

ただし自分の気持ちや感覚、行動に変化が生じたと感じ、それが2週間以上続いた場合などは、すぐに医者などに話すようにした方がいいという。(了)

 

 

出典元:BBC:Depression doubles during coronavirus pandemic(8/18)

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