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エジプトにある紀元前13世紀のお墓から、壺に入った最古のチーズが発見される

エジプトにある紀元前13世紀のお墓から、壺に入った最古のチーズが発見される
Facebook/Archaeology Magazine

エジプトにある古代のお墓の中から、恐らく最古と思われるチーズが発見されたとして、注目を集めている。

 

壺の中に白い固体を発見

 

その墓とは紀元前13世紀に、メンフィスの街の首長を務めた人物、Ptahmesのものだという。

 

もともとこの墓は1885年に発見されていたが、その後流れてきた砂に覆われて消失、2010年に再発見されたそうだ。

 

それから数年後、考古学者らは墓から壊れた複数の壺を発見。そのうちの1つには白っぽい固体の塊があり、壺を覆うため、または中身を保存するために使われたと思われるキャンバス地の厚手の布も発見される。

 

固体のサンプルは壊れた壺の中で、厚手の布によって包まれており、考古学者はそれらが墓の所有者に残された食べ物の一種ではないかと推測。化学分析をお願いすることにしたという。

 

そこでイタリアにあるCatania大学のEnrico Greco氏と研究チームらは、その白い固体を分析。今回、それらがチーズであると結論づけた。

 

Archaeologists claim they have found a 3,300-year-old hunk of solid cheese, possibly the world's oldest, in a tomb in…

Archaeology Magazineさんの投稿 2018年8月20日月曜日

牛やヤギのミルクで作られた乳製品

 

研究者らは、白い固体のサンプルを溶解した後、内部に含まれるタンパク質の成分を精製。

 

液体クロマトグラフィーと質量分析装置で分析を進めたところ、検出されたペプチドから、サンプルが牛やヤギ、羊のミルクによって作られた乳製品であることが示されたという。

 

また固体と同時に発見されたキャンバス地の布の特性も、液体より個体を包むのに適していることが示され、他の特異的なマーカーもないため、この製品が個体のチーズであると結論づけたそうだ。

 

バクテリアも発見、最古の例か

 

またサンプルの食べ物に含まれていた他のペプチドは、ブルセラ症という病気を引き起こすバクテリア、ブルセラ‐メリテンシスによって汚染されていることも示唆していたと言われている。

 

この病気は死に至らしめる可能性があり、低温殺菌されていない乳製品を食べることにより、動物から人へと感染し、広がるという。

 

そしてもし研究チームの予備解析が確認されれば、今回のサンプルは今までに報告された中で最も古いブルセラ症の生体分子の証拠になりうるそうだ。(了)

 

 

出典元:ACS:World’s oldest cheese found in Egyptian tomb(8/15)

出典元:ABC net:World’s oldest cheese confirmed in Egyptian tomb — but it may be filled with a deadly disease(8/17)

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