英紙「ガーディアン」が今後、SNSの「X」に投稿しないと宣言
イギリスの有力紙「ガーディアン」は、イーロン・マスク氏が所有するSNS「X」に今後、投稿しないと明らかにした。
今後、公式アカウントに投稿せず
「ガーディアン」は読者への発表の中で、以前はTwitterと呼ばれていたSNSを利用することの利点が、現在はマイナス面のほうが上回っていると指摘。
その上で「ソーシャルメディアサイト『X』上のガーディアン公式アカウントには、今後投稿しないことを読者にお知らせします」と述べた。
「ガーディアン」は「X」に80以上のアカウントを持ち、約2700万人のフォロワーがいると言われている。
陰謀論や人種差別のコンテンツを非難
「ガーディアン」は、「X」について長年懸念しており、同プラットフォームのコンテンツには、極右の陰謀論や人種差別が含まれていると指摘、次のように説明している。
「極右の陰謀論や人種差別など、プラットフォーム上で宣伝されたり発見されたりする不快なコンテンツが多いことを考慮し、このことは、しばらく検討してきました。アメリカの大統領選挙戦でも、Xが有害なメディアプラットフォームであることや、そのオーナーであるイーロン・マスクが政治的言説を形成するために影響力を利用していることが、強調されました」
反ヘイトスピーチ運動の団体とEUは、マスク氏が2022年にTwitterを買収して以来、コンテンツ基準を巡り批判してきた。
またマスク氏は「言論の自由絶対主義者」だと自称し、以前凍結されていた陰謀論者のアレックス・ジョーンズ氏、女性蔑視のインフルエンサーであるアンドリュー・テート氏、イギリスの極右活動家トミー・ロビンソン氏などのアカウントを復活させてきたという。
米メディアや英の公共機関も投稿停止
「ガーディアン」は次のように説明している。
「ソーシャルメディアは報道機関にとって重要なツールであり、新たな視聴者にリーチするのに役立ちますが、現時点ではXが私たちの仕事を宣伝する役割は減少しています。私たちのジャーナリズムは、私たちのウェブサイトで誰でも利用でき、公開されており、人々がtheguardian.comにアクセスして私たちの活動をサポートしてくれることを望んでいます」
一方、この発表を受けてマスク氏は、「ガーディアン紙は、非常に卑劣なプロパガンダ機関である」とXに投稿した。
昨年、アメリカの非営利メディア組織「ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)」も、「X」への投稿を停止し、公共テレビ放送局「PBS」も投稿を停止したという。
また「ベルリン映画祭」も今月、「X」の使用を中止すると発表。北ウェールズ警察も10月に「もはや我々の価値観と一致しない」ため「X」の使用を中止すると発表した。
さらにイギリスの「王立国立整形外科病院」も8月、プラットフォーム上での「ヘイトスピーチと虐待的なコメントの量の増加」を理由に、「X」を離れると発表している。(了)
出典元:The Guardian:Guardian will no longer post on Elon Musk’s X from its official accounts(11/13)