イスラエル軍によるレバノンへの攻撃が激化、首都郊外や東部へ空爆
イスラエル軍は11月22日、レバノンの各地へ激しい空爆を行い、多くの被害が出ている。
大学病院の院長が死亡
イスラエル軍は22日、レバノン東部のバールベック州の町、ドゥーリスにあるDar al-Amal大学病院を攻撃。この空爆により、大学病院の院長を含む7人が死亡したという。
レバノンの保健省はSNSの「X」において、「この犠牲は、敵のイスラエル軍が医療従事者や医療施設に対して行っている一連の攻撃の最中に起きた。これは戦争犯罪を構成する」と非難した。
またイスラエル軍は首都・ベイルート南部郊外の町、Chiyahにも空爆を行い、大きなビルが破壊された。この町へ攻撃が行われるのは初めてで、住民らはショックを受け、パニックに陥っているという。
Video shows the moment an Israeli air attack hit and destroyed a residential building in Beirut’s Chiyah area.
The city’s southern suburbs have been hit repeatedly in recent months, but this is the first time this neighbourhood has been hit. pic.twitter.com/NgWQFy55rx
— Al Jazeera English (@AJEnglish) November 22, 2024
レバノン保健省は22日、イスラエル軍による21日の攻撃により、全土で62人が死亡し、111人が負傷したと発表。昨年の10月以来、死者数の合計は3645人、負傷者数は1万5355人となった。
UNIFILの基地にもロケット弾攻撃
一方、レバノン南部に駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の基地にも22日、ロケット弾が着弾し、イタリアの兵士4人が負傷した。
この攻撃は、レバノン南部の町、Chamaaに駐留する「UNP 2-3基地」に対して行われ、2発のロケット弾が着弾したという。
イタリアのメローニ首相は、この攻撃に対し「深い憤りと懸念」を表明。「これらの攻撃は容認できない。現場の関係者は、常にUNIFIL兵士の安全を保証し、犯人を迅速に特定するために協力する」よう求めた。
ガザ地区では38人が死亡
ガザ地区でもイスラエル軍の攻撃は続いており、22日には中部のヌセイラト難民キャンプが攻撃され、2人のパレスチナ人が殺害され、数人が負傷した。
また北部のガザ市でも3人のパレスチナ人が殺害され、南部のラファ西部でも2人が、イスラエル軍の攻撃により殺されたという。
ガザ地区の医療関係者は22日、夜明け以来、少なくとも38人のパレスチナ人が死亡したと明らかにしている。
北部の町、ベイト・ラヒヤにあるカマル・アドワン病院では、イスラエル軍の無人機が入口付近に手榴弾を投下。これにより医療関係者の1人が重傷を負い、手術を受けているそうだ。
しかし病院では、必要な医療物資や燃料・電力も枯渇しており、患者に十分な治療が行えない状態が続いているという。また支援物資の搬入が阻止されているため、ガザ地区全体でも、食糧不足が深刻化している。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israeli attacks on Lebanon kill paramedics; no let up in Gaza bombing(11/22)