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シリア反政府勢力が要衝のハマ市を制圧、さらに南下しホムスの北へ進軍か

シリア反政府勢力が要衝のハマ市を制圧、さらに南下しホムスの北へ進軍か
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シリアでは反政府勢力が進軍を続けており、中部にある要衝の都市を奪還したという。

 

市内を包囲後、完全制圧

 

「ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)」が率いる反政府勢力は、シリアのアサド大統領に忠誠を誓う政府軍と、5日間の戦闘でハマ市を包囲した。

 

その後、市内では激しい戦闘が繰り広げられたが、12月5日には反政府勢力が東から同市に侵入。その夜には、市内を完全に制圧したそうだ。

 

またSNSに出回っている動画には、反政府勢力がハマ市郊外の軍用空港を制圧し、政府により国営拘置所に収監されていた囚人を解放したとされる様子が映っていた。

 

HTSの指導者であるアブ・モハメド・アル・ジュラニ氏は「この勝利は復讐のない、慈悲深いものになるだろう」と述べ、市内の警察官や民兵に対し、政府からの離反を求めたという。

 

シリア政府軍が市内から撤退

 

シリア国防省は当初、反政府軍がハマ市に侵入したことを否定し、この町の防衛線は「難攻不落」だと述べていたそうだ。

 

しかし市内で戦闘が激化し、反政府勢力が市の中心部に近づくと、シリア政府軍は撤退。民間人の命を守り、ハマ市の住民を戦闘に巻き込まないようにするため、部隊を再配置したと主張した。

 

ハマは、2011年にアサド大統領に対する大規模な反乱が起きた場所であり、その後の内戦で反体制派が同市を制圧しようとして失敗し、激しい戦闘が起きた場所でもある。

 

またハマでは1982年、ハーフィズ・アル=アサド前大統領(次男が現大統領)により、スンニ派の反体制派に対し、大虐殺が行われたという

 

HTSが主導する大規模な攻勢の結果、アサド大統領はシリア第2の都市アレッポと同国北西部の広範囲の支配権を失うことになった。

 

さらに別の情報では、すでに反政府勢力は、南部の重要拠点、ホムス市の北8km地点まで迫り、そのエリアをコントロール下に置いたとも言われている。

 

 

国連世界食糧計画(WFP)によれば、この一連の戦闘により、28万人以上の人々が避難を余儀なくされたという。

 

トルコのエルドアン大統領は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長との電話会談で、シリア紛争は「新たな段階」に達したと語ったそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Islamist rebels seize strategic city of Hama from Syrian regime forces(12/5)

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