全米で麻疹と診断された人が400人以上、70人が入院を必要とする

アメリカでは現在、麻疹(はしか)の症例が増えており、すでに多くの人が入院の必要に迫られているという。
流行の中心地は、テキサス州
アメリカ政府は3月28日、今年に入って20の州で麻疹と診断された症例が483件あり、全国で70人が入院を必要としていると明らかにした。
2024年に報告された麻疹の症例は、アメリカ全土で285件。しかし今年はわずか3カ月で、すでに400人以上の症例が報告されている。
今年の主な流行は、テキサス州で起きており、州の保健局によれば3月28日時点で、麻疹の症例が400件報告されているという。
またニューメキシコ州の保健局も28日、同州で現在44件の麻疹症例があると報告している。
1/ DSHS continues to track the measles outbreak in the South Plains and Panhandle.
As of today, 400 cases have been identified since late January.
Immunization with two doses of MMR vaccine protects you from getting sick and stops the outbreak from spreading. pic.twitter.com/wDh9ka04dV
— Texas DSHS (@TexasDSHS) March 28, 2025
97%はワクチン未接種者など
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、今年麻疹による死亡が確認されたのは1件で、またウイルス感染との関連を調査中の症例も1件あるという。
CDCはウェブサイトで、今年これまでに確定した症例の97%はワクチン未接種者、またはワクチン接種状況不明者で、また75%は19歳未満の患者だと指摘している。
アメリカの保健福祉省は、一部の麻疹の流行について、親が子供への予防接種を拒否したことによるものだとしているが、CDCは3月7日の医師向け勧告において、アメリカで麻疹が蔓延するリスクは依然として低いと述べている。
一部の子供たちが肝臓障害
長年にわたり予防接種の安全性と有効性に疑念を抱いていた、ワクチン懐疑論者のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官は2月、テキサス州での現在の麻疹流行の深刻な影響を認識していると述べた。
またケネディ保健長官は、連邦政府がワクチンを含む資源を、患者らに提供していることも認めたという。
しかしニューヨーク・タイムズ紙は、医師の監督なしに自宅で大量のビタミンAを投与されたために、一部の子供たちが肝臓障害などの合併症に苦しんでいると報じた。
この治療法は、ケネディ保健長官を含むワクチン懐疑論者が、積極的に推奨してきた治療法と言われている。(了)
出典元:The Guardian:Nearly 500 confirmed cases of measles across 19 US states, says CDC(3/28)