イスラエル軍によるガザ地区への攻撃で32人が死亡、南部では11人が焼死

イスラエル軍はガザ地区全域での攻撃を強め、4月22日にも数多くのパレスチナ人が殺害された。
避難民のテントを空爆し、10人が死亡
ガザ地区南部のハンユニス東部にある町、バニ・スヘイラでは、イスラエルの無人機攻撃により少なくとも4人が死亡。またハンユニスにある住宅が、複数の空爆を受け、火災で少なくとも11人が焼死したという。
さらにハンユニス西部にあるアル・マワシ地区でも、イスラエル軍が避難民のテントを爆撃。救助隊が遺体を収容し、少なくとも10人が死亡した。
ここは以前、安全地帯に指定されていた場所だが、3月18日の攻撃以来、イスラエル軍は秘かに安全地帯の指定を取り消していたそうだ。
ガザ地区中部のヌセイラトでは、子供たちを含む人々が路上にいたところ、ドローン攻撃が行われ、少なくとも3人が死亡。この中には子供2人が含まれており、撮影された映像には、破片が2人の子供の頭部に直撃し、血を流している生々しい様子が映っていたそうだ。
ガザ地区中部のDeir el-Balahでも22日の朝、イスラエル軍の空爆により、医師のMajed Nasr Ismail氏が殺害された。
北部のガザ市西部では、避難していた自宅への空爆で7人の家族が死亡。ジャバリア難民キャンプでも、テント内にいた夫婦と3人の子供、計5人が殺害された。
ガザ地区の医療関係者によれば4月22日の夜明け以来、全域で少なくとも32人のパレスチナ人が殺害されたという。
米上院議員が「戦争犯罪」と非難
またガザ地区ではすでに50日間以上も、人道支援物資の搬入がイスラエル軍によって阻止されており、多くのパレスチナ人が食料不足や燃料不足から苦境に立たされている。
Palestinians in Gaza are facing severe food shortages as charities warn their last supplies of food are running out. Israel’s total blockade of the enclave means no food, water or medicine can be brought in. pic.twitter.com/FBtfKz4lyR
— Al Jazeera English (@AJEnglish) April 22, 2025
イスラエルのカッツ国防相は先日、ガザ地区へは人道支援物資を搬入させないと宣言。この発言について、ユダヤ系アメリカ人であるバーニー・サンダース上院議員は「戦争犯罪」だと厳しく非難した。
サンダース上院議員は4月21日、「X」への投稿で、「人道支援がガザに入らなくなってから51日が経過した」と述べ、カッツ国防相が「人道支援はガザには入らない」と発言したことを「戦争犯罪」の証拠だと指摘。その上で、次のように述べた。
「我々は共謀関係を終わらせなければならない。ネタニヤフ首相への軍事支援はこれ以上行ってはならない」
教皇の葬儀への出席に反対
またイスラエルの元駐イタリア大使、Dror Eydar氏は、故フランシスコ教皇を反ユダヤ主義だと非難。イスラエル政府に対し、教皇の葬儀に出席しないよう強く求めたという。
フランシスコ教皇は、苦境に立たされているパレスチナ人に心を寄せ、2014年にはヨルダン川西岸地区のベツレヘムを訪れ、イスラエルの分離壁の前で祈りを捧げたという。またイスラエル軍によるガザ侵攻も、強く非難していた。
イスラエル政府は、教皇が亡くなった21日、SNS(@Israel)に「フランシスコ教皇、安らかにお眠りください。彼の記憶が祝福されますように」と投稿。しかし22日には、この投稿が削除されたそうだ。
イスラエルのメディア「エルサレム・ポスト」紙によれば、外務省関係者は教皇が「イスラエルに反対する発言」をしており、この投稿は「誤り」であると述べたという。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Dozens killed as Gaza sees ‘extraordinary’ rise in Israeli attacks(4/22)